儀礼としての相互行為 新訳版 の商品レビュー
「複数の人が対面していることによって生じるさまざまな出来事の全体」を主題とする研究。面目や敬意表現、当惑、精神的症候、「アクション」などといった個別対象があるが、一貫して、日常生活における対面行動において機能しているルール、そのルールからの逸脱事例が記述の対象となっている。もちろ...
「複数の人が対面していることによって生じるさまざまな出来事の全体」を主題とする研究。面目や敬意表現、当惑、精神的症候、「アクション」などといった個別対象があるが、一貫して、日常生活における対面行動において機能しているルール、そのルールからの逸脱事例が記述の対象となっている。もちろんその逸脱事例も、実は逸脱者の側が日常生活において機能しているルールにのっとっていることを確認させてくれる事例として挙げられる。「患者の心になにが浮かんでいようが、看護士に糞便を投げつけるというのはわたしたちの儀礼的慣用語を用いていることに相当するのである」(90頁)。つまりここでの研究単位は、社会関係から中傷された個人ではなく、会話や「アクション」(典型的には賭け事)自体、そしてそれとの関連における個人である。叙述に用いられる例も非常に面白いが、もっと一般化すれば様々な対象に関する思考の触発剤になるのではないかと思われる。特に、まさしくこのようなルールの中で思想家の営みがどのような意味を持つのかに焦点を当てているスキナー的思想史研究においても、このような研究から得るものは大きいのではないだろうか。
Posted by
精神病棟の参加観察からの理論であり、最初の方はその具体例が多かった。第6章ではそれから遠く離れてしまっているように感じられた。 参加観察をするためには、一度読んでみるといい本であろう。
Posted by
■模範演技を求めて 発達障害つながりで読んでます。発達障害だと「心の理論」に問題があって云々で「コミュニケーション」が上手く行かない、と。どんなふうに上手くいかないかは沢山の例があって「そうそう、分かるーこの感じ」なんて読んでたんだけど、「じゃあいったい普通に上手くいってる状況...
■模範演技を求めて 発達障害つながりで読んでます。発達障害だと「心の理論」に問題があって云々で「コミュニケーション」が上手く行かない、と。どんなふうに上手くいかないかは沢山の例があって「そうそう、分かるーこの感じ」なんて読んでたんだけど、「じゃあいったい普通に上手くいってる状況ってどんななのよ?」と手に取ったのが本書。普通の人が問題なくやってることを根掘り葉掘りネチネチ解説してくれるのは社会学しかないので、どうしてもこんな感じの選択になる。 で、読んでみたところ...何のお話かさっぱり想像つきません。あのー「面目」ってどこにも見当たらないんですけど。ショック。 原文が分かりにくく書いてるのか?訳が下手なのでは?という可能性もあるけど、そういう場合はそうと分かるくらいには本を読んでるつもり。 時間をあけてまた読んでみようとは思う。
Posted by
- 1