開発援助か社会運動か の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
シャプラニールの定松さんの、ネパールでの活動記録。もう20年前の本で、計算してみるとこの本を著した時の定松さんはまだ40歳そこそこ。30代でかなり濃い経験をしていたんだなぁ、というのを、読んでみて改めて感じる。 現地での奮闘と葛藤は、今読んでも色褪せず、生々しく映像が目に浮かぶよう。NGOでそれなりに仕事をしたことがある人は多かれ少なかれ、この本に書かれているようなことを経験し、悩み、怒り、失望し、奮起し、自問自答しながら仕事をしている。そう考えると、定松さんのような今となっては日本のNGO界の重鎮のような人も、若いころは同じような懊悩の中に生きていたんだなぁ、という感慨と親近感とを感じられる。 現地のニーズや状況は20年も経つとさすがに変わっていると思うが、NGO職員として仕事をするにあたって自らの仕事のあり方をどう問うか、という点については、まだこの本から学べることは結構あると思う。
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【NGOの現場が分かる!】 シャプラニールで長年活動してきた著者の、ネパールでの活動内容が記述されている。NGO活動の酸いも甘いも経験してきた著者だからこそ書ける内容であると思う。 著者、定松氏が提示する2つの問い。 「私たちが支援しようとしている当の人々は、何を望んでいるのか...
【NGOの現場が分かる!】 シャプラニールで長年活動してきた著者の、ネパールでの活動内容が記述されている。NGO活動の酸いも甘いも経験してきた著者だからこそ書ける内容であると思う。 著者、定松氏が提示する2つの問い。 「私たちが支援しようとしている当の人々は、何を望んでいるのか」 「私たちの支援は、当の人びとがおかれている状況を本当に改善するのか」 これは、国際協力に関わろうとする者であれば誰でもぶち当たる壁によく似ている。 「私の活動は、本当に彼らを幸せにしているのか?」 残念ながら、本書の中では上記の2つの問いの答えは書かれていない。支援される側に回ったことのない私(我々)が、どんなに考えようとその答えは仮説でしかない。より明確な答えを求めるには、支援される側の声に耳を傾けていくしかないのかもしれない。
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