エドゥアルド・トロハの構造デザイン の商品レビュー
エドゥアルド・トロハは20世紀前半に活躍したスペイン出身の土木・建築構造エンジニアです。構造エンジニアという言葉に聞きなじみのない方も多いと思いますが、これは土木・建築構造物の強度について技術的な解決を行う職業を指します。例えば、あるビルを建てる場合、プランナーや意匠設計家がビ...
エドゥアルド・トロハは20世紀前半に活躍したスペイン出身の土木・建築構造エンジニアです。構造エンジニアという言葉に聞きなじみのない方も多いと思いますが、これは土木・建築構造物の強度について技術的な解決を行う職業を指します。例えば、あるビルを建てる場合、プランナーや意匠設計家がビルの大まかな構造や外見的な要素を決定します。構造エンジニアはその意匠設計を実現しつつ、かつ重力や地震力などに耐えられるように構造的な設計を行います。 近年では、構造物の構造的機能のなかに意匠的な美しさを見出し、意匠設計を兼ねた構造設計を単独で行う構造エンジニア(デザイナー)も存在します。エドゥアルド・トロハはそのような先駆的な構造エンジニアリングのパイオニア的存在で、生涯を通して数多くの傑作を残しています。 本書では、トロハの作品群をシェル構造、橋梁、特殊構造物、鉄骨・合成構造物、教会・礼拝堂の5項目に分類し、それぞれについて本人が解説するといった内容になっています。 各作品ごとに、主要な設計課題とそれに対する解決策が説明されており、トロハの創造性に満ちた設計思考プロセスに触れることができます。また、施工過程での具体的なエピソードなどについても記述があり、読み応え抜群の内容になっています。 構造工学に携わる方はもちろん、構造物のカッコよさを知りたいという方にも幅広くおすすめできる一冊です。 (ラーニング・アドバイザー/構造エネルギー工学 OMURA) ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/opac/volume/1474944
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