なぜ介護事業者はトラブルを起こすのか？ の商品レビュー

沖野達也(著者)

2013/04/15

久しぶりにゾクッとするような本を読んだ気がします。

特におそろしいのが自社分析。読みながら自分の職場で出来ていることがあまりに少ないことを思い知らされたから。たとえば現場にある各種マニュアルは、自社作成であり現場で活用されていなければ、ただのお飾りであり「偽物」と評価されます（ないのは問題外だけど）。当然だと思うけど、それを作成し運用する力がない事業者は早晩トラブルに巻き込まれると、事例をもって説明されてます。読んでいると「あー、そうだよなー」と思うことが多数。

ここで絶望的な気分にならされるのは、これを読むべき人、実践すべき人は、現場ではなくその上にいる人たちってこと。でも、届かないんだよなあ・・・

個人ではなく組織としての対応、有能なヒーローはいらなくて、平凡な職員の集まりであっても組織がしっかりしていればトラブルは防げる、という当然のメッセージをこの著者は発していると思いました。