ヘミングウェイの源流を求めて の商品レビュー

高見浩(著者)

2016/03/31

ヘミングウェイ好きにとっては垂涎の一冊。
ヘミングウェイの人物像に陰と陽の側面から鋭いメスを当てている。パリ時代、キューバ時代
4回の結婚と戦争に際し作品の移り変わりが分析されている。作品と照らし合わせて読んでおきたい一冊。

2010/12/16

ヘミングウェイの生涯のごく表面だけをなぞって、"ヘミングウェイのように生きよう"などと脳天気に訴えるコマーシャリズムは、ヘミングウェイの真の偉大さとは無縁であることは言うまでもない。（中略）ヘミングウェイの偉大さとは、おのれの中に受け継がれた負の遺産を意識しながらも、それにくじけることなく、宿命と果敢に闘いながら、生と真正面に向き合う秀作をわれわれに遺してくれたところにある。