ヨーロッパの略奪 の商品レビュー

リン・H.ニコラス(著者),高橋早苗(訳者)

2017/02/19

手に汗握るストーリーでした。今度から、西洋絵画を見るとき、もっともっと愛おしく感じてしまいそう。

様々な人が、必死に守り抜いてきた美術品。失われてしまったものも多かった第一次・二次世界大戦だけれども、こんな人々の思いと、営みがあったというのは、すごく感動的なものにも読めました。

2016/02/13

ユダヤ人はナチス侵攻後、ユダヤ人の一団が監視の突撃隊員たちに罵られ、あたりをとりまく群衆に野次られながら、歩道に貼られた反ナチスのマークをはがしていた。自殺するユダヤ人も多かった。ナチスのありとあらゆる残虐行為が伝えられているが、オーストラリア人もそれに手を染めていた。ユダヤ人の男女が公衆便所の掃除をさせられていた。ユダヤ人はこのような屈辱を味わうと同時に、あくどい手口で商店や住宅から財産を略奪されるようになった。国境が封鎖される前にどうにか脱出できた人びとは、財産そっくり家に残していたが、それらは突撃隊員や隣人によってたちまち略だるされた。国内にとどまった人々はやがて、ゲシュタポに財産を登録するよう命じられ、のちの財産没収に役立つ目録を提供する結果となった。信頼できる人間は一人もいなかった 。