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2012/01/20

日本と英語のことわざを比較対照させた本。 違う言語なのにそっくり似ていたり、全く違ったりと、おもしろいコントラストが見られます。 「一石二鳥」は、中国か日本のものだと思っていましたが、英語のことわざが日本のものとして定着したんだそうです。 さらに「二兎を追うものは一途をも得ず」...

日本と英語のことわざを比較対照させた本。 違う言語なのにそっくり似ていたり、全く違ったりと、おもしろいコントラストが見られます。 「一石二鳥」は、中国か日本のものだと思っていましたが、英語のことわざが日本のものとして定着したんだそうです。 さらに「二兎を追うものは一途をも得ず」は、オランダの宗教学者、エラスムスの格言集が原典なのだとか。 「海千山千」は、海に千年、山に千年住んだ蛇は龍になるという伝説から、世の中を知り尽くしたしたたかな者という意味に発展するのだとか。 どこの馬の骨とも分からない者という意味と勘違いしていました。 「縁無き衆生は度し難し」は、子供の頃に"いぬぼうかるた"にありましたが、さっぱり意味が分からないまま、今まで来たような気がします。 仏教からのことわざだったわけですね。 孔子は貧しい家に生まれたため、前半生を多芸多才の人として生きたそうです。 素晴らしいことだと思いますが、そのなんでもこなせる自分は君子ではないと、本人は恥じていたそうです。 なかなか悩みも複雑なものです。 西洋では、菩薩はangel、夜叉はdevilになるとのこと。 わかるけれど、なんだかしっくりこない違和感を感じました。 二言語の比較は、興味深いですが、そこに掲載される著者の紹介文とコメントに、古さを感じます。 プロフィールを見る前から、著者はかなりご年配であろうことがわかりました。 今ではもう聞かなくなったようなことわざもかなり多く記載されています。 なんとなく収まりの悪い文章のように感じられますが、日本語よりも英語に秀でている方なのかもしれません。 「大器晩成」のところでは、「キレる子供を作ってしまうのは、待つことにキレた大人ではなかろうか」など、必ず一言コメントが入ります。 今読むと、必ずしも採り上げたことわざにしっくりきていないものもあり、その微妙なずれがなんだかおもしろくさえあります。 特に必要でないような文や、読者が反応できないような意見も載っており、もともと自費出版ものだったのかしらと思いました。 「落花心あれば、流水もまた情けなり」という美しいことわざを知ったのは嬉しい収穫。 ゆったりとした時間にパラパラめくって読むのに適している本です。

Posted byブクログ