精神科医を精神分析する の商品レビュー
精神科医や心理学者のマスコミ化、権威化はそれは用心しなくてはならないし、むしろ人を権威から解放させることが眼目であるはずのこれらの学問にとって、致命傷ともなりうる自己の欠落を見誤ってはならない。しかしそういったものにとらわれてしまうこちら側の自覚のほうがもっと重要で、自由を愛す...
精神科医や心理学者のマスコミ化、権威化はそれは用心しなくてはならないし、むしろ人を権威から解放させることが眼目であるはずのこれらの学問にとって、致命傷ともなりうる自己の欠落を見誤ってはならない。しかしそういったものにとらわれてしまうこちら側の自覚のほうがもっと重要で、自由を愛する精神と何事にも批判的な姿勢との兼ね合いは案外難しいものである。 そもそも彼らの存在や見解を冷静に受け止めていれば、批判(というよりこれはディスり、ビーフであるが)の言説のほうが逆に無気味に聞こえてしまう。まして自分はアホであると言い募り、嗅覚や経験からのお話ではこれこそ権威主義者がもっともお得意とするスタイルではないですか。 なので斎藤環や町沢静夫らに関しても、かつてはいいことを言っていたという指摘のほうの、そのいいことのほうにあらためて共感してしまう。中井久夫を手放しでほめあげる姿勢もいかがなものか。これこそ最高権威なのだから。 洋泉社にはもうちょっと健闘を望みたい。
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斉藤環なる人物のお粗末な政治性、町沢静夫のいかがわしさ、和田秀樹の低俗、小田晋の反動性などなど、内容の大凡は良し、だが嫌味なほどにナイーブな文体での論いに終始して何とも…読み味悪し。
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