半落ち の商品レビュー
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ある警察官が妻を殺したと自首してきた。 警察官の不祥事、とはいえ自首もしているし、病気に苦しむ妻からの懇願でかわいそうになり、といった同情できる点もある、少しメディアは騒ぐかもしれないがそこまで大騒ぎするほどのことではなかった。ただ1点、自首するまでに謎の2日目の間があったということ以外…。 前半は「空白の2日目」に対してなんでそんなみんなぐちゃぐちゃうるさいの???とこちらの感情がついていけなくて置いてけぼりくらいました。 実は違う理由で殺していて自殺のように見せかけたかった?とかミステリーにおける殺人事件あるあるみたいなことでもなさそうなのに、なんでこんな空白の2日目にムキになるの? それこそそっとしておいてくれても良いのにな〜とか思っちゃうのは自分が他人に興味なさすぎるからか?? 犯罪をおかす予定も勇気も相手も居ないけど(なんかあったらマジで意味もなく2日目放置してから意味ありげに黙秘とかしてみたらみんな躍起になって調べるんやろか)とか妄想した。 でもなんかどんどんみんなそっとせざるを得なくなって ラストはボロボロないちゃった。 意味ありげな2日目、マジで意味あったやないか。そんな辻褄合う2日目ある?ってくらい。 最後綺麗だった。
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アルツハイマーの妻を、殺害し逮捕された警察官を中心に、それに関わる、刑事、検察官、記者、弁護士などそれぞれの視点から物語が展開される。 そのため、最後の最後まで、真相の糸口さえ伏せられている割に、間延びした印象を持たなかった。 この点には、著者の構成の上手さを感じた。
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構成や文書はどんどん引き込まれるものですごい作品を読んだと感じた。しかし、それ故に読後反芻する度に呑み込めない部分が現れてきた。なぜ犯人は骨髄移植にのみこだわるのか。年齢制限の高いほかの臓器でも人の命は救えるのではないか。50歳というリミットに刑事部長は早々に気が付いていたようだが、その指摘をしたのか。息子の死因だから骨髄に限定しますというだけでは、狭義の自己満足がいささか強すぎて、幾度と出てくる聖人的な描写(目が綺麗とか落ち着いているとか)とは釣り合わないのではないかともやもやとしてきた。
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重度のアルツハイマー症を患った妻を絞め殺したと自首してきた梶刑事。事件についてはほぼ認めているものの、事件後の足取りが今ひとつつかめない。警察および検察は、反省の上で自殺の場所を求めてさまよったことに落ち着けようとするが…。 様々な関係者の視点から、梶の本当の気持ちと足取りを明...
重度のアルツハイマー症を患った妻を絞め殺したと自首してきた梶刑事。事件についてはほぼ認めているものの、事件後の足取りが今ひとつつかめない。警察および検察は、反省の上で自殺の場所を求めてさまよったことに落ち着けようとするが…。 様々な関係者の視点から、梶の本当の気持ちと足取りを明らかにしていくアンソロジースタイルの作風である。それぞれの関係者の各々の私生活と心変わりを表していくというところが本作の主題となる。 映画化されて有名になった作品だが、梶を中心とした取り調べの話かと思ったら、そうでもないのだな、というところは意外だった。 横山秀夫らしい葛藤を持った登場人物が、激昂の上で冷静になっていくというスタイルなのだが、どうも盛り上がりきらない感があるのは事実で、最終章に向かって動機が明らかになっていくが、ほとんどの章では全く確信に触れないまま終わっていく。 タイトルの「半落ち」についても、わからなくもないし、映画やドラマを見据えたインパクトのあるものではあったものの、正直なところこのストーリーに合致しているかというと若干疑問が残るものであった。 電子書籍などで数度読み返すというには丁度いい作品であろう。
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登場人物の物語を紡ぐ形で展開し、各々のストーリーは重厚で楽しめた。それに比べて結論は、そうなの?という印象。
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半落ちのまま進んでいく展開にモヤモヤしながらも、自分まで関係者になったかのように引き込まれます。 いわゆる刑事もの、事件ものでは終わらない感動があります。 素晴らしい作品だと思います!
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映画が公開された時になんとなく気にはなったものの見ずにいた。 殺人後の空白の2日を巡る様々な立場の物語。 一章一章短く感じるが濃密でスピード感があって読みやすかった。 “あと一年”に込められた意味がとても深くて、梶という人間の優しさに支配されたような物語だった。
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映画化が話題になっていたので、原作は気になっていた。期待を裏切らず、一気に読み通した。主人公に関わる人が、だんだんと彼に惹かれていく展開がテンポよく描かれている。ぜひ映画も見ようと思った。
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ん〜面白い! なぜ半落ちなのかは、最後まで分からなかったが、いろいろな人間が嘱託殺人者の梶の味方になっていくのが面白かった。
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「第三の時効」がよかったので、長編ものを読んでみた。 息をつかせぬ展開にどんどん引き込まれたが、黙秘していた二日間の真相は「う~ん?」という感じ。 そこまでして守り抜きたいものってなんだろうと、期待が膨らみに膨らんだからかもしれない。
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