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白洲正子全集(第13巻) の商品レビュー

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2017/04/13

『雪月花』(1991年、神無書房)『夕顔』(1993年、新潮社)『名人は危うきに遊ぶ』(1994年、荻生書房)の他、1990年から95年に発表されたエッセイ19編を収録しています。 いずれも、自然と骨董、文学と芸術などのテーマに渡る著者のエッセイ集です。小林秀雄や河上徹太郎、吉...

『雪月花』(1991年、神無書房)『夕顔』(1993年、新潮社)『名人は危うきに遊ぶ』(1994年、荻生書房)の他、1990年から95年に発表されたエッセイ19編を収録しています。 いずれも、自然と骨董、文学と芸術などのテーマに渡る著者のエッセイ集です。小林秀雄や河上徹太郎、吉田健一や永井龍雄らの思い出を語った文章からは、親しく付き合っていた著者の目を通して文学者の思いがけない横顔が見えてくるようで、興味深く読みました。そのほか、歌人の前登志夫や能役者の友枝喜久夫に関するエッセイについても、著者の文章の巧みさによって、まるで読者の目の前で評されている対象の魅力が花開くような思いにさせられます。 一つ残念だったのは、『白洲正子 私の骨董』(1995年、求龍堂)のために書かれた、著者が自身の骨董コレクションについて語った文章に関して、写真が省略されていることです。もとになった本は大判の写真集のため、やむをえないこととは思いますが、縮刷するといった形で対応してほしかったように思います。

Posted byブクログ