ヒンドゥー・ナショナリズム の商品レビュー
インドは世界最大の民主主義国だが、腐敗や汚職も多い。世界史に輝く精神文明を持つが、観光地のインド人は旅行者からぼったくることばかり考えている。とても平和的な人々だが、ムスリムとの争いには荒々しさを発揮し、遂に核兵器まで持つに至った。大国意識の強さも時折覗かせる。 そんなインド...
インドは世界最大の民主主義国だが、腐敗や汚職も多い。世界史に輝く精神文明を持つが、観光地のインド人は旅行者からぼったくることばかり考えている。とても平和的な人々だが、ムスリムとの争いには荒々しさを発揮し、遂に核兵器まで持つに至った。大国意識の強さも時折覗かせる。 そんなインドを不思議の国と呼ぶことに異論のある人は少ないだろう。私がインドに旅したのは20年も前のことだけど、彼らの圧倒的な存在感は未だに心に残っている。 インドを世界最大の民主主義国と呼ぶのは、国民会議派とBJPの間で定期的な政権交代が実現しているからだ。そして2014年、BJPのモディが政権を握った。ビジネスフレンドリーで規律正しさを好み、時折ナショナリストらしい強硬さも覗かせるモディ。前置きが長くなったが、そんなインドの背景にあるものを知りたくて、この一冊を手に取った。 今や北大准教授として一端の政治論客になった中島岳志が、若き日、インドに渡りRSSの若きヒンドゥーナショナリストたちと日々を共にするところから、この本は始まる。そこで目にするのは、ヒンドゥーナショナリズムの伸びる力とその思想的限界。彼らはアヨーディヤーでのラーム神殿の再興を目指して示意行動に出るが、彼らが擁立したはずのBJPヴァジパイ首相は首を縦に振らない。そうした彼らのパワーと限界はどこから産まれてきたのか、中島は後半ではインドの植民地支配とインド人の思想的目覚めの歴史をレビューする。そこで語られるのは、イギリス人により(作為的ではないが)創られたインド民族観と、それをむしろ強化しつつ国民的な目覚めを果たしてきたインド人たちの姿だ。 日本人が明治維新という国民的覚醒にあたり触媒としたのは、勝者の歴史書である古事記や日本書紀。古代インドには膨大な哲学史の積み重ねがあるが、ヒンドゥー教自体にはおそらく日本神道と同じく、宗教哲学の積み重ねには乏しいので、結局のところ、RSSの活動家たちもラーマーヤナのような好戦的な神話に頼るしかないのだろう。著者も一部語っているが、そういったところが日本とインドは似ている。今のところ、インドはかつての日本のような帝国主義や現代中国のような覇権主義に陥ることなく、八億人を独特の位置へ導こうとしている。少し古いけれども、現代インドの政治・思想的側面を語る上で貴重な一冊。
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若い学者さんの感情的なルポかと思ったけど思いのほか良書だった。 Think globally, act locally. で終わってちょっとだけほっとした。
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これまじ意味わからん! 社会の勉強してこなかった私には全然わからんわ。 だいたい語句の説明を最初にしろと。 RSSのことばっかり書いてあるけど、ここの理念とか何やってるかとかまとめて書いてあるの3章が最初やからな。 だいたい草の根の活動が一章ってどういうことなの。 自分の体験を...
これまじ意味わからん! 社会の勉強してこなかった私には全然わからんわ。 だいたい語句の説明を最初にしろと。 RSSのことばっかり書いてあるけど、ここの理念とか何やってるかとかまとめて書いてあるの3章が最初やからな。 だいたい草の根の活動が一章ってどういうことなの。 自分の体験を元にかくのはわかりやすければいいと思うけど、このときこう思ったとかまでかかんでええわ。 わからんかった。以上!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] 核とITの大国。 GNPの大きな伸び。 そして戦闘的な反ムスリム運動の国・インド。 その背後で民衆の心を捉えるRSS(民族奉仕団)の姿を描き、現代史の中に鮮やかに位置づけた力作。 [ 目次 ] 序章 ヒンドゥー・ナショナリズムの現場から 第1章 草の根のヒンドゥー・ナショナリズム―RSSのシャーカー活動 第2章 ムスリムとの対立 第3章 RSSの諸活動 第4章 宗教ナショナリズムの台頭 第5章 現代インドの現場からの問い―リベラリズムの限界・宗教復興の可能性 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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2002年の作品。インドで台頭するRSS(民族奉仕団)の掲げるヒントゥー・ナショナリズム思想について調査している。前半は写真を交えた調査記、後半はイギリス植民地統治手法の分析に端を発するインドの社会制度成立の背景の解説。
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末端の組織が行う早朝道場(練習?)に実地に参加したり、運動の理論的支柱である指導者にインタビューを敢行するなど、他にもたくさん本文で登場する、底辺からトップまでを網羅した地道なフィールドワークの数々には、著者の「知りたい」という強烈な熱意が感じられます。
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