ユーザビリティエンジニアリング原論 の商品レビュー
抽象と具象の絶妙なバランスをとって、書かれたユーザビリティエンジニアリングの本。数字の挙げ方や焦点の当て方のタイミングの良さは、すこぶる実践的であるだけでなく、人間工学に基づいているため、発刊から10年以上が立った今でも妥当性をもっている。最後の練習問題、参考文献もありがたい。 ...
抽象と具象の絶妙なバランスをとって、書かれたユーザビリティエンジニアリングの本。数字の挙げ方や焦点の当て方のタイミングの良さは、すこぶる実践的であるだけでなく、人間工学に基づいているため、発刊から10年以上が立った今でも妥当性をもっている。最後の練習問題、参考文献もありがたい。 気になった記述。 ・(開発前には)ユーザーがいつも正しいわけではない。 ・ユーザビリティ原則 *シンプルで自然な対話 *ユーザーの言葉を使う *ユーザーの記憶負荷を最小限に *一貫性を保つ *フィードバックを提供 *出口を明らかに *ショートカットの提供 *適切なエラーメッセージ *エラーを防ぐ *ヘルプとドキュメントを提供 ・ユーザビリティの定義 *学習しやすさ *効率性 *記憶しやすさ *エラー発生率 *主観的満足度 ・ユーザーはマニュアルがあまりに分厚いと、中身が難しいかどうか確かめようともしないで、プログラムを使わなくなる。 ・ユーザー間の個人差は非常に大きい(3つの次元:コンピュータ全般に関する知識、特定のシステムを使用する技術、作業範囲の理解) ・身体障害者:直接操作がよい、視覚障害者:アイコンはダメ ・「最近使ったファイル」は非常にヒューマン ・一人のユーザビリティ専門家のレビューでは55%、4人では95%から重要度評価を得る可能性がある。 ・少なくとも第3版は作る必要がある。 ・ユーザビリティに対する影響が高いと評価された上位6種類 1,2 反復デザインと作業タスク分析 3 ユーザーによる評価経験テスト 4 ユーザー参加型デザイン 5 開発前の顧客訪問、現地調査 ・あまり利用されていない効果的な方法 *全インタフェースのコーディネーション *システム設置後の顧客訪問 ・"mumble"画面プロトタイプ ・大文字だけの文を読むのはスピードが10%落ちる ・配色は5~7色。多くても11種。白黒でどう見えるかも色盲の人への配慮として必要。 ・ホイール式トレーニング(初級と上級の2段階)の良さ。 ・レスポンスタイムとして、 *反応が瞬時に行われていると感じる限界は0.1秒。 *遅れに気づいても、ユーザーの考えが妨げられない限界は1.0秒。 *ユーザーが対話に集中する時間は10秒が限界。 ・全コマンドの35%がそれ以前に使われた5種類のうちの一つ。74%が一度も使われたことがない。 ・マニュアルは 1.よく整理されており 2.イラストが多い のが良い。 ・ヒューリスティック評価では、5人、最低3人いれば、妥当な結果が得られる。 ・ユーザビリティと評価対象のインタフェースの両方に専門知識を持つ人がヒューリスティック評価ではベスト。テクニカルライターの協力もあり。 ・思考発話法で、9%操作が早くなる。黙っている人に比べて、20%しかエラーを起こさない。 ・アンケートに、ユーザーは一般的に悪いことは書かない。 ・アンケート回答率。返信用封筒が無い場合:26%、あるばあい:90%。返信用封筒に宛先が書いてあるのも大切。 ・掲示板投稿は大多数のユーザーを代表しないが、将来的なユーザビリティにいち早く手をつけることになるかも。 ・システムの一貫性により、トレーニング時間を半減できる。 ・多くのばあい、報告された良い結果は、専門家の技術と能力、提案されている方法やツール本来の価値を証明するためのプロジェクトにかける意気込みによるもの。※これ、あらゆる研究にあてはまる、鋭い指摘。
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ユーザビリティの基本原則や評価プロセスをまとめた本。ユーザビリティの入門に最適。 ちなみに著者ヤコブ・ニールセンは、Webユーザインタフェースの大家。本人のホームページを見ると最新のレポート等を見られるし、日本語訳もある。 特に企業内システムに於いて、ユーザビリティは軽視され...
ユーザビリティの基本原則や評価プロセスをまとめた本。ユーザビリティの入門に最適。 ちなみに著者ヤコブ・ニールセンは、Webユーザインタフェースの大家。本人のホームページを見ると最新のレポート等を見られるし、日本語訳もある。 特に企業内システムに於いて、ユーザビリティは軽視されがちだが、これが悪いとユーザへの負担増にもなると思う。コスト・時間の制約があるので、すばらしいレベルは望めないが、悪くない程度にはしておきたい。 メモ ・コードの48%はユーザインタフェースに関係 ・ユーザビリティの向上でコスト削減した事例がある ・ユーザビリティの定義: 学習し易さ、使い易さ(効率性)、記憶し易さ、エラーの少なさ、主観的満足度
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ユーザビリティに関して体系的に学ぶことができる本。ユーザビリティエンジニアリングの確立された「プロセス」を知ることができる。
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