伝道の神学 の商品レビュー
福音主義本流を自認する東京神学大学の教授がこの手の本を書いたことそれ自体の意味は大きい。しかし、トレルチ研究者である著者が選ぶ素材は多くがドイツ語圏。伝道は優れてアングロ・サクソンの諸教会に帰されるものであり、コルプス・クリスティアーヌム(コンスタンティヌス体制)の残滓が未だ領邦...
福音主義本流を自認する東京神学大学の教授がこの手の本を書いたことそれ自体の意味は大きい。しかし、トレルチ研究者である著者が選ぶ素材は多くがドイツ語圏。伝道は優れてアングロ・サクソンの諸教会に帰されるものであり、コルプス・クリスティアーヌム(コンスタンティヌス体制)の残滓が未だ領邦教会というかたちで残っているドイツ語圏の神学的遺産から「伝道の神学」を組み立てようとするのは、かなり難しいように感じた。ただ、「ゲルマン捕囚」にある日本の神学界に訴えかけるというという意味では、ドイツ語圏の神学から伝道的なるものを基礎づけようとすることの意味は大きいだろう。
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