蓮の道 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この作品を読みながら私の中に浮かんできたのは「あぁ・・・!文学だなぁ・・・!」という念です。 文学です。THE 文学です。 何を以て文学を文学と考えるのは人それぞれだと思いますが、私はこのあまりに繊細で世に馴染めない気弱な主人公にそれを感じたのでありました。 ま~じれったい!そこを一歩踏み出せばよいではないか!と発破をかけたくなるのですがそこはお約束。どうしても主人公は動かず、悩み続けます。 あまりに繊細で、あまりに世間離れしている価値観の持ち主であるのに、世の中も捨てきれない。そんな自分を理解していながらどこかでその世の中にほんの少しの期待もしてしまう。実に繊細。実にナイーブな主人公です。
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因習、偏見、噂話が人を殺す話。 未知のスリランカ文学を読むにあたっては、見知らぬ土地独自の風味を期待するところだが、ある意味裏切られる。時代も場所も大きく異なる昭和の日本で書かれたとしても、まったく不思議ではない物語。メランコリックな独白体が特徴的。 心象風景を投影する風景描写に...
因習、偏見、噂話が人を殺す話。 未知のスリランカ文学を読むにあたっては、見知らぬ土地独自の風味を期待するところだが、ある意味裏切られる。時代も場所も大きく異なる昭和の日本で書かれたとしても、まったく不思議ではない物語。メランコリックな独白体が特徴的。 心象風景を投影する風景描写に、バナナの木が出てくるところが印象的。
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