タリバン拘束日記 の商品レビュー
まさか…と思ったおよ。アフガニスタンで日本人拘束。名前は 「ヤナギダダイゲン」。 直接ご本人を知ってるのではないが、ちょっとした繋がりがある。 当時、友人たちに電話をしまくってお互いに確認したのだ。 そうして「やっぱりそうなんだ」という結果になり、彼は今後どう なる...
まさか…と思ったおよ。アフガニスタンで日本人拘束。名前は 「ヤナギダダイゲン」。 直接ご本人を知ってるのではないが、ちょっとした繋がりがある。 当時、友人たちに電話をしまくってお互いに確認したのだ。 そうして「やっぱりそうなんだ」という結果になり、彼は今後どう なるのか?としばらく盛り上がったが、26日間という短時間(?) で解放され、帰国した。 2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ。その翌月に 「空爆から逃れるアフガン人と共に、難民キャンプまでの移動に 同行したい」とパキスタンからアフガンに入り、あまりにも呆気 なくタリバンに拘束された著者。 近年に発生している身代金目当ての人質ではなかった。スパイ容疑 で身柄を拘束され、収容されたのは政治犯や強盗犯と一緒の収容所。 そこでの日々を綴った、タイトル通りの日記である。これがあまりに ものほほ~~んとしていて、「囚人としてそれでいいのか?いや、 囚人をあまりにも自由にさせてやしないか?タリバン」と感じる。 命を脅かされることはないし、収容所間を移動する際にも目隠しや 手枷足枷をされるのでもない。同じ収容所に拘束されていたフランス 人ジャーナリストをはじめとした収容者との会話も自由。 食費は自腹(これも驚きだが)で、割とたっぷりと食べられているし、 時はタリバン兵をからかうこともある。 もう緊迫感ゼロなのである。おまけにアフガン事情もゼロに近いので、 9.11直後のタリバンの動向なんてのも本書からは得られない。 まぁねぇ、人質じゃないからね。ご本人も「日本政府の支援は必要 ない」と現地でのインタビューで語っているし、帰国後の記者会見 では「タリバンはいい人たちだった」と言ってるしな。 この体験記はこれでいいのかもしれない。だが、文章の下手さ加減 はどうにかならなかったのだろうか。
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基本的に淡々と、しかも細かく書かれていて、読んでいて恐怖や不快を激しく感じることはない。 しかし、表紙に使われている、柳田氏が実際にとったという日本語の走り書きのメモがとても生々しい。 表紙に26日と書いてあるし、本なので残りのページ数から察することもできるし、 ご本人の著作だか...
基本的に淡々と、しかも細かく書かれていて、読んでいて恐怖や不快を激しく感じることはない。 しかし、表紙に使われている、柳田氏が実際にとったという日本語の走り書きのメモがとても生々しい。 表紙に26日と書いてあるし、本なので残りのページ数から察することもできるし、 ご本人の著作だから、またはニュースで見たから無事解放されるということを知っている。 だからこそまだしも読めるが、それでもたたない日数、もたらされない解放のニュース、 にそわそわしながらページを繰った。 殴られたり拷問にあったり、そんなひどいめにはあっていない。 自炊し、穏やかに生活しているようですらある。 しかし、何も悪いことをしていないのに疑われて逮捕される、それだけで既に 充分ひどいめにあっているのである。 この手のニュースが報じられたときの日本国民の態度に、私は疑問を感じてきた。 拘束されていなかったのなら大丈夫だったのでは、平気だったのでは、恐くなかったのでは、 やらせだったのでは、自分で逃げられたのでは。 危険だと知っているのに行ったのだからほうっておけばいいのに、税金を使うな。 などなど。 多分、拘束された人たちに対して、 「無事帰ってこられて良かったね」 じゃなくそんな言葉を投げつける人たちは、多くが戦争を知らない。 頭の上を戦闘機が通り、いつ空爆されてもおかしくなくて、逃げる自由もなく 窓が塞がれただけで気が滅入る。 そんな状況がわかっていないと思う。 斯くいう私だってわからない。経験したことなんてない。 しかし、想像力がある。 経験値も想像力も無いから、恐い物も無いと感じるから、誹譲中傷も平気で言えるんだろうと思う。 なぜ戦地へ入るのが行けないんだろう。 命は自分のものだ。親兄弟に止められるなら兎も角、自分ひとりの命を自分ひとりの判断で、 天秤にかけてそれでも大事なものがあるから行きたい、と思う人を、どうしてとめられようか。 見捨てられないとか、命は大事だとか、そんなエセヒューマニズムで、 心底心配するのじゃなく批判するぐらいなら、 煙草を吸ってる人とか車に乗ってる人とか、いくらでも 『危ないと分かっているのに自分の命だからいいのだと周りの迷惑を考えずに行動をしている人』 はたくさんいる。 命をかけて自分の天職を真っ当しようとしている人だって、ジャーナリストの他に 格闘家とかドライバーとか、たくさんいるのに。 違いが分からない。 ましてや柳田さんは、何度か「政府の助けはいらない」としている。 あんな節操の無い国に助けてもらうなら死んだ方がマシ、というようなことも書いているし、 外交が下手糞でごり押しして余計助けにならないようなことをしているくらいの日本政府。 なのに、助けてやった、って態度をとる。 ミッシェルさんの場合は、会社が取材を止めることは無かったし、実際捕まっても できる限りの、しかも意味のあることをきちんとしてくれている。 日本は、止めるは逆効果なことするわ、ありがた迷惑なのに勝手に助けて感謝しろといった挙句 マスコミと一部の馬鹿な一般人が税金の無駄遣いだと攻め立てるわけだ。 なんていい国なんだか。 本当に、平和ボケしてるんだな、と思う。 戦闘機が真上を通る恐怖と、それに加えて取材もできないことが無念だったろうと思う。 でも、これもまた経験、として必死でメモを取り、ちやんと本も出してくれるところが やはりプロだ、と思うし、お陰で私たち一般人も、そんな貴重な危険を垣間見ることができる。 タリバンといったら凄くマイナスイメージしか自分の中に植え付けられていなくて、 イメージがとても違った。 更に、タリバンと一口に言ってもいろいろな人がいるわけなのだし。 こうやってそれぞれの「顔」が見えてくると、結局戦う理由なんて消えていくのだと思う。 政府が決めたら仕方無い、部分もあるとは思うけど、互いを憎みあって、っていう戦いは薄れていくと思う。 町全体にかみそりの刃が舞っている感じ という緊張感についての表現があったが、正に身を切られるような極度の緊張だったと思う。 一瞬でもそんなものにさらされて、そしてその覚悟をして旅立って、 しかも観光ではなく仕事だったり使命だったり欲求で行っている人に対して 尊敬こそすれ批判なんて私には到底できない。
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現地潜伏取材中にタリバンに拘束された日本人ジャーナリスト。 共同生活の日々で見えてくる、タリバン兵や一緒に拘束されたジャーナリスト達のなんとも人間臭さが面白い。 欧米発のニュースでは見えてこない、まさに現場に密着して描写した貴重な手記。
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