死体につく虫が犯人を告げる の商品レビュー
作者が法医昆虫学という分野を切り開いたきっかけや、どのようなことがわかるかなどの回想録。 専門的な、昆虫の学名なども説明してあるが、昆虫に詳しくなくても理解できるように書いてあると思う。 画像はあまりなく、あっても鑑別のための昆虫のイラストばかりであり、死体の画像はない。逆...
作者が法医昆虫学という分野を切り開いたきっかけや、どのようなことがわかるかなどの回想録。 専門的な、昆虫の学名なども説明してあるが、昆虫に詳しくなくても理解できるように書いてあると思う。 画像はあまりなく、あっても鑑別のための昆虫のイラストばかりであり、死体の画像はない。逆に言うと、ウジのイラストは出てくるため、昆虫は見るだけでも嫌な人には向いていないかもしれない。しかし、本文中には、過度にグロテスクというわけではないが、~が腐敗していて~のような、極めてドライではあるが死体の描写も出てくるため、苦手な人は注意したほうがいいかもしれない 日本とは昆虫の種類が異なる可能性があるため、日本では完全に適応できるかはわからないが、事件の一つひとつがミステリーのようで興味深く読めた。
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どんな命も、命が消えたそのときから自然界の生物の食事になってしまうんだなぁ。笑。 堅くて気持ち悪い内容ながらも筆者のセンスで読ませてくれる本。 死後の時間が経つごとに、食事にやってくる虫たちは違うらしい。 他の人もレビューで書いていたけれど、これはミステリーにするとほんとに面白そ...
どんな命も、命が消えたそのときから自然界の生物の食事になってしまうんだなぁ。笑。 堅くて気持ち悪い内容ながらも筆者のセンスで読ませてくれる本。 死後の時間が経つごとに、食事にやってくる虫たちは違うらしい。 他の人もレビューで書いていたけれど、これはミステリーにするとほんとに面白そう(^^)。
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虫からの殺人事件へのアプローチの変遷を淡々と書いている一冊。刑事ドラマでは中々触れてくれないアプローチ方法なのでとても興味深い上、勉強になる。ただし虫が嫌いな人は要注意。腐乱死体の描写もあるので要注意。 この法医昆虫捜査をテーマにしたミステリー小説があったらとても面白いと思う。そ...
虫からの殺人事件へのアプローチの変遷を淡々と書いている一冊。刑事ドラマでは中々触れてくれないアプローチ方法なのでとても興味深い上、勉強になる。ただし虫が嫌いな人は要注意。腐乱死体の描写もあるので要注意。 この法医昆虫捜査をテーマにしたミステリー小説があったらとても面白いと思う。そんなドラマがあったら是非とも見たい。
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『どんな調査においても、私にとって――あるいは他のどんな法医科学者にとっても――起こりうる最悪の事態は、誰かの代弁者になることである。私はいかなる法執行機関のメンバーでもなく、私の役目は、たった一つのタイプの証拠について客観的な分析を提供することである。私はその務めを果たすことに全力を尽くすだけで、ほかの領域の捜査はもっとふさわしい資格をもった人々に委ねている。なんとしても私は、自分の専門領域を越えて、「悪い奴をつかまえる」という精神に染まる誘惑に抵抗しなければならない。』(P168) 内容自体も大変興味深く面白いのだが、非常に感銘を受けたのが上記文章である。 先日「主観的感想が多すぎる」と書いた『そして殺人者は野に放たれる』について、良いこと書いてるしすごく時間をかけて丁寧に取材・引用しているのに何で共感できないのだろう…と思っていたところにこの文章が来たので非常に納得できたというか。 調査→データ解析→考察、に私情が挟むとやりきれないです。『死体につく虫~』の筆者もそこのとこの折り合いは未だ完全にはできていない、と正直に吐露しているところも含めて名著だと思いました。
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虫は嫌いだけど内容が面白くって積極的に読む時間をつくるほどに楽しい本。 犯罪、死体、蛆虫が頻繁に出てくるので重くなりがちなところだけれど随所にあるアメリカンジョークがいい味出してる。 データ収集のためにブタの死体をさまざまなところに放置するのだけど、そのたびに自治体や学会の許可を...
虫は嫌いだけど内容が面白くって積極的に読む時間をつくるほどに楽しい本。 犯罪、死体、蛆虫が頻繁に出てくるので重くなりがちなところだけれど随所にあるアメリカンジョークがいい味出してる。 データ収集のためにブタの死体をさまざまなところに放置するのだけど、そのたびに自治体や学会の許可を取ることに苦戦したくだりも味があって好き。 例えば、海岸にブタを置きたいのに運航の障害になるかもと懸念された筆者の「ブタの鼻に点滅する赤または緑色のライトをつけたらどうかと言いたくなった。」など。
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法医昆虫学者の著者が関わってきた事件のことや、法医昆虫学における昆虫の役割などが書かれた本でした。 法医昆虫学はあまりメジャーなものではなく、私も名前を聞いたことがありませんでしたが本を読むと面白い分野だなという感じがします。 あの気持ち悪いウジが死体の分解、ひいては殺人事件にお...
法医昆虫学者の著者が関わってきた事件のことや、法医昆虫学における昆虫の役割などが書かれた本でした。 法医昆虫学はあまりメジャーなものではなく、私も名前を聞いたことがありませんでしたが本を読むと面白い分野だなという感じがします。 あの気持ち悪いウジが死体の分解、ひいては殺人事件における犯行の時期の特定にどんな役にたっているのか。 実際に起きた事件を元にした、著者の真摯な分析。それと間にさりげなく挟まれるブラックともいえるユーモアも良かったです。 とても面白い本でした。 今は「法医昆虫学者の事件簿」というタイトルで文庫化されているようです。
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[ 内容 ] 虫たちは決して殺人事件を見逃さない。 驚くべき早さで死体を発見し、卵を産みつける。 真の第一発見者である昆虫から手がかりを得るために、死体につく虫を丹念に集める昆虫学者がいる。 彼らは現場から採集された標本を分析し、捜査官をも驚愕させる確度で死亡時刻を推定する。 時...
[ 内容 ] 虫たちは決して殺人事件を見逃さない。 驚くべき早さで死体を発見し、卵を産みつける。 真の第一発見者である昆虫から手がかりを得るために、死体につく虫を丹念に集める昆虫学者がいる。 彼らは現場から採集された標本を分析し、捜査官をも驚愕させる確度で死亡時刻を推定する。 時には死後数年たった白骨死体であっても、昆虫の証拠から犯行の時期を推定できるのである。 普通の昆虫学者だった著者が殺人現場へと乗り込み、「法医昆虫学」の第一人者となるまでに経験した数々の捜査を例に、このまったく新しい捜査法を紹介する。 [ 目次 ] 一九八四年、ホノルル 昆虫学者、死体と出会う 虫の証拠を読み解く方法 腐乱死体を研究する ハエはすばやく事件を嗅ぎつける 乾いた死体を好む虫たち 死体が覆い隠された場合 ハチ、アリのたぐい 海上の死体、吊り下げられた死体 殺虫剤と麻薬の影響 つらすぎる仕事 証言台の昆虫学者 法医昆虫学を認めさせる 新しい挑戦 [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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蛆(ウジ)って凄いね! もし、ハエやその子どもであるウジがいなかったら、世界はとっくの昔に死体で埋まっていただろう。 漫画の「オサムシ博士」だったっけ? を思い出しながら読んだ。
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『147ヘルツの警鐘 法医昆虫学捜査官』(http://booklog.jp/users/junjinnyan/archives/1/4062178311)が面白かった!といったら、勧められた本。 書名の通り、死体につく虫から様々なことを推理する「法医昆虫学」の本。具体的なデータの扱い方や推定の方法から、法廷で証拠として取り上げられることに対する心構えまで、具体的に、詳しく、ユーモアを交えて語られていて、興味がとぎれることなくスイスイ読めました。虫からそんなことが分かるのか!とか、面白いオドロキの連続です。 自分の推定が法廷で証拠として取り上げられることによって、一人の人生が左右されることの重さをしっかりと受け止め、真摯に法医昆虫学に取り組まれている著者の語り口に、好感が持てます。訳文も読みやすい。 川瀬七緒『シンクロニシティ 法医昆虫学捜査官』参考文献に入ってました。
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徳田さんに借りた本。 がむしゃらに研究できないところがホント大変だよね。 日本より厳しいかもしれない。 ハエ類の蛆が殆ど同じで専門家でも同定できないとは驚き。 死んで数分でハエが到達するのにも感心してしまった。 腐敗食または生体食が存在するのにも、またその成体への捕食者も居るのだ...
徳田さんに借りた本。 がむしゃらに研究できないところがホント大変だよね。 日本より厳しいかもしれない。 ハエ類の蛆が殆ど同じで専門家でも同定できないとは驚き。 死んで数分でハエが到達するのにも感心してしまった。 腐敗食または生体食が存在するのにも、またその成体への捕食者も居るのだとは知らなかった。 一気に蛆への関心は高まった。尊敬?、親しみ?は、ないか。 最近は毎日「Lpw&Order」を見ているので法廷の記述は理解がしやすかったように思う。 本好き生物科学者としては大変負面白かった。
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