怪談 牡丹灯篭 の商品レビュー
あの「牡丹灯篭」です…
あの「牡丹灯篭」です。円朝です。実は明治の作です、って知ってますよね?漱石が口語体文学の参考にしたとかしないとか。なんて話はともかく、面白いです。8月8日は円朝忌、どうぞ。
文庫OFF
怪談と仇討ちが合わさ…
怪談と仇討ちが合わさった日本人好みの話です。
文庫OFF
授業で必要だったので…
授業で必要だったので気乗りしないまま読んだのですが、読み始めるとこれが面白い。びっくりしました。いくつかのストーリーが交互に語られていて、それがいい所で別の話に移るので、気になってしかたありません。
文庫OFF
#100奈良県立図書情報館ビブリオバトル「古典」で紹介された本です。 2019.3.16 https://m.facebook.com/events/2271985816457260?view=permalink&id=2294499440872564
Posted by
当たり前ですが昔の言葉なので読みにくいです。 お露さんと新三郎さんの恋物語が有名ですが、私は孝助の敵討の話が好きでした。怪談というけれどほぼ人間ドラマです。怪談の部分はやっぱり落語で聞くのがおすすめです。映画もあるみたいです。 人間関係が複雑で少し読みづらいところもありましたが、...
当たり前ですが昔の言葉なので読みにくいです。 お露さんと新三郎さんの恋物語が有名ですが、私は孝助の敵討の話が好きでした。怪談というけれどほぼ人間ドラマです。怪談の部分はやっぱり落語で聞くのがおすすめです。映画もあるみたいです。 人間関係が複雑で少し読みづらいところもありましたが、内容は面白いし、ラストもハッピーエンド?で良かったです。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2023.9.15読了。 天才三遊亭円朝の作品。 三大怪談の一つ。 幕末明治に活躍したレジェンド噺家のお話を速記したものを現代訳したとのことだったが、びっくりするほど読みやすく、とにかく面白い。 怖さは薄めで、萩原新三郎の下へ死んだお露とお米が夜な夜なカランコロンと音を立てて通うおなじみの幽霊譚よりもむしろ、お露の父親である飯島平太郎と草履取の孝助、悪女のお国と源次郎、思わず悪人になっていく伴蔵とその犠牲となるみね等々の物語の方に興味が掻き立てられる。 印象に残ったのは、敵討ちという風習が尊ばれていた時代の空気と、人の生死に固執しないあっけらかんとした死生観、武士の美学といったところ。 次は「真景累ケ淵」にも挑戦したいと思う。
Posted by
落語家円朝が幕末1861-1864年頃に、中国の小説などを元ネタとして作った物語で、1884(明治17)年にこれを速記した本が出版されている。話し言葉による物語なので、これはまさに「言文一致」である。 読んでみると現代文とさほど変わらず、意外に読みやすいし、面白いからどんどん...
落語家円朝が幕末1861-1864年頃に、中国の小説などを元ネタとして作った物語で、1884(明治17)年にこれを速記した本が出版されている。話し言葉による物語なので、これはまさに「言文一致」である。 読んでみると現代文とさほど変わらず、意外に読みやすいし、面白いからどんどん読めてしまう。そして物語は非常に複雑だ。登場人物も多くサブストーリーが錯綜し、おおきな物語を形成している。これを読んで「小説ではない」と断ずる理由は無い。西洋の近代小説と比較しても大変面白い、まさに小説作品なのである。もっとも私は上田秋成の『雨月物語』も見事な近代小説だと思っているので、逆に明治以降、そんなにヨーロッパ文学に注目した「小説」をことさら作り始めようとする必要があったのかな、と疑問に思う。 本作、「怪談」と呼ぶにふさわしいのは、武士新三郎を恋い焦がれるあまりに死んだお露が、お付きの女とともに幽霊となって現れ、新三郎のもとを毎夜訪れるという、有名な話だ。これを映画化した古いものを以前観たが、いかにもおどろおどろしい雰囲気を作っていた。が、この本を読むとそんなにおどろおどろしいわけでもない。単に「死者の幽霊が出る」というコトへの恐怖が描かれているだけで、もともと恨んで出た霊ではないから害は無さそうではあるけれども、毎夜霊と会い続ける新三郎が次第に痩せ衰え、顔に死相が現れる、という点がまがまがしい。幽霊なるものがケガレ(気枯れ)と捉えられているために、常人がそれに触れると災厄を負う、という民間の思想が呈示されている。 が、この幽霊談はごく一部だけで、後半はそれとは直接つながらないストーリーで、別の青年が主人の仇討ちを果たす活劇となっている。複数の物語を取り込んだ複合体としての物語なのだ。 後半の主人公の善なる資質の表れとして、主人への「忠義」がしきりに強調されている。まあ、江戸時代の武士階級の常識なのだが、どうもこの「忠義至上主義」というものは、その流れが現在の日本にもひそかに受け継がれており、良い部分もあろうけれども、悪い思想ともなっていて、忠義だけに生きるゆえに、今や社畜などという経済奴隷が日本中に生まれそのストレスからしばしば凶事を行い、また、安倍晋三への忠誠から中央のエリート官僚が公文書を改ざんするなどという社会-悪に結実しているような気がする。上のもの=お上にひたすら尽くし、そのお上の行いの善悪については全く問わず、つまりひたすら隷従することにおいて下っ端は善悪等の判断を捨て去ってしまう。こう考えてみると、忠義そのものが善悪の一般倫理より上に来てしまうと、ロクなことにならないのではないか。 まあしかし、「忠義」に関する日本文化の「病」については、本書のレビューとは直接関係ないから、追い追い考えていこう。 本作は、幕末に生まれた豊かな小説作品として、多くの人を楽しませることが出来るだろう。速記による話し言葉のエクリチュール化が、このような奇跡的な結晶を実現してくれたのだ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
15日間で1種の話をまとめた当時の寄席を講談速記したものだそうで、読み応え抜群。負の連鎖による奇妙なめぐりあわせ。有名なお露と新三郎の話が進む傍らで、孝助の物語が同時進行している。読み終えると、忠義の従者による仇討譚という印象が強まった。お露にも新三郎にも罪がないので、ふたりの結末は気の毒としか思えない。死者の執着より生者の悪行のほうが目立ち、孝助側は胸がすくような勧善懲悪の物語だった。
Posted by
お国が悪人すぎてしびれる。徹底して悪人。 それにしても、本当にこれを語っていたのだろうか? 追いかけて聞いている人もいたのだろうか? いたんだろうな。すごいな。
Posted by
作者による口演を速記で読み物にしてある。江戸言葉のリズムがトントンと伝わる。 牡丹燈籠と言えば幽霊話で有名であり梗概は勿論知っていたが、原作は主従敵の因果話や、勧善懲悪の仇討ち話までてんこ盛りとは知らなかった。人物像をシンプルに描き出し、感情移入させ、ハラハラさせて気を持たせる...
作者による口演を速記で読み物にしてある。江戸言葉のリズムがトントンと伝わる。 牡丹燈籠と言えば幽霊話で有名であり梗概は勿論知っていたが、原作は主従敵の因果話や、勧善懲悪の仇討ち話までてんこ盛りとは知らなかった。人物像をシンプルに描き出し、感情移入させ、ハラハラさせて気を持たせる展開でぐいぐい引き込む。まったくストーリーテリングの妙がここにある。終盤のご都合主義もご愛嬌。
Posted by