アイルランドの薔薇 の商品レビュー

石持浅海(著者)

石持浅海氏のデビュー…

[文庫ＯＦＦ]

石持浅海氏のデビュー作。クローズドサークルの作り方が独特でうまい。手堅く作り上げられた本格ミステリです。

　今年　「このミステ…

[文庫ＯＦＦ]

　今年　「このミステリーがスゴイ」で「扉は閉ざされたまま」という作品で2位にランクインされた作家さんのデビュー作になります。勿論「扉～」に比べると　少々落ちますが　この人の作品はどれも面白い。計算されたロジックと独特の世界観が魅せてくれます。舞台はアイルランドと馴染みのない国ですが　自然と入っていける感じです

2021/03/14

石持浅海のデビュー長編。

南北アイルランドの統一を謳う武装勢力NCFの副議長が、スライゴーの宿屋で何者かに殺された。
宿泊客は８人。そこには正体不明の殺し屋『ブッシュミルズ』が紛れ込んでいた。
犯人は殺し屋なのか？
宿泊客の一人、日本人科学者・フジがNFCのトムと共に、犯人をあぶり出そうとするが。。。

アイルランドが舞台だが、最終的に大活躍するのは科学者・フジ。
この人物が本当に万能過ぎるので、少し現実味に欠ける。
武装勢力が持つ拳銃を前にあんなに落ち着いていて、且つ恐ろしいほどの推理力を持ち合わせて、
更にその場の空気を完璧に読む日本人科学者て。

フジのおかげで良い人なのに滑稽に見えてしまうトム。
ようやくフジと同じ推理が出来たと思ったら…悲惨な人物である。

物語自体は犯人探し×２＋宿屋にいた人々の素性推理。
非常に良く出来ているとは思う。
アイルランドが舞台である必然性は微妙だが、その設定は上手く生かされている。

この物語の詰まる所は、NFCの人選ミスって事になるのだろうか。
何はともあれ、気軽に読める一冊である。

2014/08/14

一時期、テロといえばIRA(チョット乱暴な言い方かもしれませんが…)という時代があり、アイルランドと英国の関係になんとなく興味はあったのですが、背景をほとんど知らなかったので、この本を読んで少し理解できたような気がします。

個人的に、チョットあれ？と思うところもあったけど、全体としては面白く、一気に読めました。
あと、アイルランドに行ってみたくなりました。

2014/04/25

登場人物が外国人ばかりなので敬遠していた石持浅海のデビュー作。キャラが立っていたので名前を覚えるのがつらいということはなく、読んでみるとあっという間でした。
ホームズみたいな探偵(？)がかっこよかったです。
ただ大きな謎であってほしかった殺し屋の正体が序盤で読めてしまっていたので少し残念。予想通りすぎる答えが「驚いた？驚いただろ！」って提示されたのはちょっと…。
事件としてはおもしろかったし、アイルランドの国際情勢も興味深かったです。

2012/09/09

実行犯たちの思惑が微妙に噛みあわないあたり、事態を複雑化させていて面白かった。特殊な「嵐の山荘」の設定も良い。しかし探偵役のフジが矢吹駆に重なってしょうがなかったのはなぜだろうか……。

2011/06/22

石持さんの探偵役は、何故あんなに頭が切れッキレなのか。。
カッコ良過ぎるわ、本当。
アイルランドの情勢とか、読むまで全く知らなかったけど、
何か、興味が湧きました。

2011/09/09

嵐の山荘モノにはミステリ好きはやはりときめくもんです。閉じ込められた人々の間に漂う、『扉は閉ざされたまま』のような葛藤が背中をぞくぞくさせます。探偵役のフジは若き科学者で物静かだけどユーモアもあり、論理的な頭脳の持ち主。シリーズものにしてほしい。というか、石持さんの描く主役ってかっこいい人ばかりなのです。あらすじを書こうと思ったけど、南北アイルランド問題と密室殺人と犯人以外にも後ろ暗い人たちの謎が詰め込まれていて、とても簡単には書ききれず。これでデビュー作なのか…レベル高いなあ。

2010/11/21

詩人・イェイツが薔薇にたとえたアイルランドの自由。その鍵を握る武装勢力NCFの副議長が、スライゴーの宿屋で、何者かに殺された!悲願のアイルランド和平実現を目前に控えた政治的な理由により、警察への通報はできない。外部犯の可能性も消えて、泊まり合わせた客は、NCFの手によった拘束された。誰が、なんのために―。日本人科学者・フジの推理が、一人ひとりの「嘘」と「真実」を暴いていく。「本格」の設定と、北アイルランド紛争という社会派テーマを融合させた、珠玉のポリティカル本格ミステリー（「ＢＯＯＫ」データベースより）

高村薫さんの「リヴィエラを撃て」を読んでから気になっていたアイルランド問題。
北アイルランドの空気が感じられるような、そんなミステリなのかしらと、わくわくしながらページをめくりました。
中身は、とある事情を元にした、少し変わったクローズドサークルもの。
この設定は面白かったですね～。
あと謎解きに、国による価値観の違いが用いられているのもうまい設定でした。
〈薔薇の木は今、つぼみをつけている。和平という名のね。簡単に駄目になってしまう弱いつぼみだが、咲けば美しい」というミッキーの言葉にも感動してしまいました。
ただ第３者として事件を観察する殺し屋〈ブッシュミルズ〉の正体が早々読める（消去法ですぐわかります）のはいただけなかった。
殺し屋を○○さんだと思い込ませるミスリードもばればれだしなぁ。
あ、あと無駄な恋愛フラグを立てるのもどうかと・・・。
ところどころ、そういった気になる点がありましたが、こういった少し堅め～な石持ミステリは嫌いじゃないです。
ラストもこれくらいさらっとしてた方が好みだな。
石持さんの作品はほとんど読んだけど、初期～中期のものが好みにあってるのかも。

2010/09/14

本格なミステリーで面白かった。
ヘビーな題材を扱っているけれど読みやすかった。

それにしてもなぜフジはあんなに完璧なのだろうか(^_^;)
日本人だからか。そうかそうか…
ってなるかいなｗ