昭和の劇 の商品レビュー
「日本侠客伝」「仁義なき戦い」「二百三高地」など、数多くの傑作を手掛けた名脚本家が、二人のインタヴュアー相手に語る極上の日本映画史。ヤクザ・暴力団・戦争・テロ・共産党など、幅広いテーマを綿密な取材で描きつくすその姿は、さながら映画脚本を通じて、近現代日本史の総まとめを一人でやって...
「日本侠客伝」「仁義なき戦い」「二百三高地」など、数多くの傑作を手掛けた名脚本家が、二人のインタヴュアー相手に語る極上の日本映画史。ヤクザ・暴力団・戦争・テロ・共産党など、幅広いテーマを綿密な取材で描きつくすその姿は、さながら映画脚本を通じて、近現代日本史の総まとめを一人でやっているかのようだ。難しい話は抜きにしても、著名監督・俳優などの面白いエピソードがてんこ盛りで、映画ファンには真っ先にお勧めしたい本。 (走る書店員)
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『仁義なき戦い』の脚本に魅せられて、笠原和夫という人間がもっと知りたくなる。東映に入社するまでの半生は『妖しの民と生まれきて』に詳しく記されているが、ここでは東映入社後の映画脚本家としての闘いぶりについて、思いの丈を存分に語っており、600ページを越える大冊となっている。 綿...
『仁義なき戦い』の脚本に魅せられて、笠原和夫という人間がもっと知りたくなる。東映に入社するまでの半生は『妖しの民と生まれきて』に詳しく記されているが、ここでは東映入社後の映画脚本家としての闘いぶりについて、思いの丈を存分に語っており、600ページを越える大冊となっている。 綿密な資料の読み込みと関係者への取材があるからこそ、リアルな映画が生まれたことがよくわかる。膨大な人物の名前がポンポンと出てきて、その記憶力にも驚かされる。そして、取材を通して得られた、驚くべき事実(?)も明かされる。2.26事件の裏には昭和天皇と秩父宮の後継争いがあった、福澤諭吉の父は自殺していた、吉田茂は女郎の子であった等々。 戦争で同年代の仲間を死なせているだけに、天皇への批判も激烈だ。「裕仁が個人で何を考えていようとも、あの人は第一級の戦犯ですよ。これは間違いなく戦犯です。それは誰が見たってそうであってね。それなのに、何の処罰もされず、戦後ぬくぬくと来たということ、これは絶対に許しがたいいんですね。できれば自決してほしかったですね」とまで口にしている。笠原が、「昭和」にこだわったのは、昭和天皇が即位した翌年に生まれ、その天皇の軍隊に所属したことから来ているに違いない。 笠原和夫が脚本を手がけた映画を、台詞を噛みしめながら観ることで、昭和という時代が何であったのか、改めて考えてみたくなった。
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内容(「BOOK」データベースより) 膨大な取材、激烈な作劇で斬り込む昭和の闇と刺し違えた日本最大の脚本家。
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「仁義なき戦い」の脚本家・笠原和夫へのインタビューからなるう本だけれど、映画本というより歴史書のような本。 素晴らしい作品は、徹底した取材から生まれると思っている自分にとっては、正にその手本のよう。 読み出したら止まらない傑作だと思います。
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映画書というより、日本現代史の暗部について最も洞察に富んだ書。取材のすさまじさと、それをまとめる作劇に見せる恨みの深さに圧倒される。
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