1,800円以上の注文で送料無料

翔ぶが如く 新装版(七) の商品レビュー

3.6

39件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

西郷を立て鹿児島が立…

西郷を立て鹿児島が立つ。大久保に十分な準備・勝算はあったが、精神的なショックは大きかった。西南戦争、悲劇の幕開け。

文庫OFF

2024/05/20

いよいよ西南戦争が勃発するかというところまできた。権力拡大とと士族の暴走による暴動で抑え込めなくなった西郷が下山し、戦闘状態へ突入していく… ちなみにここで出てきた伊東祐亨、こちらも坂の上の雲に出てくる重要人物。猪瀬さんの本だったかコメントだったかで、ある人について知るには2世...

いよいよ西南戦争が勃発するかというところまできた。権力拡大とと士族の暴走による暴動で抑え込めなくなった西郷が下山し、戦闘状態へ突入していく… ちなみにここで出てきた伊東祐亨、こちらも坂の上の雲に出てくる重要人物。猪瀬さんの本だったかコメントだったかで、ある人について知るには2世代前から遡れとあったことの意味を理解する。なるほどこんなに繋がってるんだなとその片鱗に触れる。

Posted byブクログ

2023/11/10

「まるで水滸伝の世界のような」気勢で生まれた薩軍は、戦略をもたず「大挙、熊本城に押しかける」という方針を決めた。そうすれば、熊本鎮台の薩摩兵は、寝返ってくるし、百姓あがりの徴兵どもは震えあがって逃げ出すと。「おいは日本で唯一の大将である」と西郷は自認していた。「作戦会議」は子ども...

「まるで水滸伝の世界のような」気勢で生まれた薩軍は、戦略をもたず「大挙、熊本城に押しかける」という方針を決めた。そうすれば、熊本鎮台の薩摩兵は、寝返ってくるし、百姓あがりの徴兵どもは震えあがって逃げ出すと。「おいは日本で唯一の大将である」と西郷は自認していた。「作戦会議」は子どもっぽく浮かれていた。敵についての認識の甘さは、前代未聞というべき289

Posted byブクログ

2023/09/10

「尊王攘夷」のスローガンで始まった筈の倒幕運動から、明治維新が為ってみたら、幕末からの開国方針が何も変わっていないという、この歴史の流れが、長らく釈然としなかったのだが、これを読んで、漸く腑に落ちたというか――当時の士族達も釈然としなくて、だからあちこちで士族の反乱が起きて、最終...

「尊王攘夷」のスローガンで始まった筈の倒幕運動から、明治維新が為ってみたら、幕末からの開国方針が何も変わっていないという、この歴史の流れが、長らく釈然としなかったのだが、これを読んで、漸く腑に落ちたというか――当時の士族達も釈然としなくて、だからあちこちで士族の反乱が起きて、最終的に西南戦争に至ったのね、と。しかし、旧支配層の武士は既得権益を取り上げられ、庶民は税金やら兵役やら負担が激増した、この明治維新という大改革が、よく破綻・瓦解しなかったものだという、新たな疑問が湧いてきた。

Posted byブクログ

2023/06/06

5巻、6巻とかなり地味であったが、7巻終盤で遂に動き始めたという感じ。 西南戦争が如何にして起こらざる得なかったかというのが5巻以降のテーマになっていると思うが、確かに何故そうなってしまったか…と思わざる得ない。 台湾出兵あたりから明治政府が瓦解し、以降大久保利通によるある意味独...

5巻、6巻とかなり地味であったが、7巻終盤で遂に動き始めたという感じ。 西南戦争が如何にして起こらざる得なかったかというのが5巻以降のテーマになっていると思うが、確かに何故そうなってしまったか…と思わざる得ない。 台湾出兵あたりから明治政府が瓦解し、以降大久保利通によるある意味独裁にはなるのだが… 西南戦争とは、幕末から続く藩閥と利権争いが混沌としてしまった末に、西郷さんが一時期に政治を諦めてしまった事が要因…と思うが、やはり一言でまとまらないので、このような長い小説になっているわけだなあ。

Posted byブクログ

2021/08/26

※2008.2.22購入@Book Off調布  2008.8.30読書開始  2008.10.4読了  2017.5.6売却@Book Off

Posted byブクログ

2020/04/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

p.334 自分が象徴であるためには、自分一個の判断もみずから封じざるを得ず、言動の自由もあきらめざるをえなかった。 クライマックスに近づいてきました。続きが気になりますが、図書館閉鎖で足踏み中…。

Posted byブクログ

2018/08/30

【感想】 本物語の10分の7が終わり、ようやく西南戦争が始まるかぁ。 開戦に至る数々の過程を省略すべきではないが、「やっと」感が強い。 むしろあと3巻ですべて終結するのかと思うと寂しさもあるが・・・ 幕末は英雄だった西郷隆盛の凋落が本作品には詰まっている。 自身の能力が低下した...

【感想】 本物語の10分の7が終わり、ようやく西南戦争が始まるかぁ。 開戦に至る数々の過程を省略すべきではないが、「やっと」感が強い。 むしろあと3巻ですべて終結するのかと思うと寂しさもあるが・・・ 幕末は英雄だった西郷隆盛の凋落が本作品には詰まっている。 自身の能力が低下したからなのか、それとも周りのプッシュに諦めを持ち、投げやりの上で開戦する決意を持ったのか。 おそらく後者だろう 西郷自身の手記がないため、彼が抱えていた苦悩と絶望に関しては一切わからないが、彼が決してただの虚像ではないと信じたい。 終盤になるにつれて、西郷と大久保の差を感じる作品になってきた。 【あらすじ】 明治十年二月、ついに西郷が立ちあがった! 圧倒的な士気で熊本城を攻める薩軍と援軍を待つ政府との闘いが始まった。 熊本、萩における士族の蜂起をただちに鎮圧した政府は、鹿児島への警戒を怠らなかった。 殊に大警視川路利良の鹿児島私学校に対する牽制はすさまじい。 川路に命を受けた密偵が西郷の暗殺を図っている―風聞が私学校に伝わった。 明治十年二月六日、私学校本局では対政府挙兵の決議がなされた。 大久保利通の衝撃は大きかった…。 【内容まとめ】 1.西南戦争はごく単純に言えば、私学校における若者の暴発から出発し、その暴発に西郷が身を委ねた事で起こった。 西郷は敗北を決意したか、なるようになれというような自暴自棄に身をゆだねた。 2.「木戸はつねに池のふちにいる。大久保はつねに飛び込んで池の中にいる。」 3.薩人は、木強者(ぼっけもん)を喜ぶ。 木強者とは、学問はさほどになくても勇敢、頑固、質朴、平素、必要以上に死を軽んずる者を言う。 【引用】 p69 薩人は、木強者(ぼっけもん)を喜ぶ。 木強者とは、学問はさほどになくても勇敢、頑固、質朴、平素、必要以上に死を軽んずる者を言う。 この種の男を薩摩隼人の典型とした。 p118 「木戸はつねに池のふちにいる。大久保はつねに飛び込んで池の中にいる。」 鯉を捕まえねばならぬときの2人を謳った評価。 p264 幕末の西郷は、あくまでも勝利を目標とする政略と戦略を考える人物であった。 しかし彼は、ここで必ず勝つという政略と戦略を考えるべきであったが、少しも考えた形跡はなく、考えたことと言えばせいぜい挙兵の名目だけである。 敗北を決意したか、なるようになれというような自暴自棄に身をゆだねたか、そのどちらかというほかない。 p290 二十歳以上の大人たちの集まりとは言えないほどに子供っぽい雰囲気が一座を浮かれさせていたし、この奇妙な非厳密さは、西郷と桐野それに篠原といった一種異様な3人の楽天家が醸し出している精神操作であるとしか言いようがなかった。 p302 西南戦争はごく単純に言えば、私学校における若者の暴発から出発し、その暴発に西郷が身を委ねた事で起こった。

Posted byブクログ

2018/07/06

「翔ぶが如く(7)」(司馬遼太郎)を読んだ。 『自分は、何もいうことはない。一同がその気であればそれでよいのである。自分はこの体を差しあげますから、あとはよいようにして下され。』(本文より) そう言った時西郷隆盛の胸中を何が去来したのかを想うと私は少し哀しくなってしまうのである。

Posted byブクログ

2018/05/18

いよいよ西南戦争へ。 実にくだらない下っ端の暴発や勘違いから、内戦がはじまる。空気というのは怖いものだ

Posted byブクログ