謀略国家 の商品レビュー

ヴィンス・フリン(著者),結城山和夫(訳者)

2015/02/22

ヴィンス・フリンの作品は、初めてである。なかなか、好感のもてる作品になっており、小説の序盤から終盤まで一貫して緊張感が維持されており、読書をグイグイ惹きつける。政治スリラーというジャンルに作者は位置付けられるそうだが、政治スキャンダル大国ならではの内容である。さて、原題の「THE THIRD OPTION」は、外交並びに軍事行動の選択肢で可能性がない場合の主にCIAによる秘密工作活動を指すが本作でも裏仕事のスペシャリスト、ミッチ・ラップが重要な登場人物として登場する。秘密工作の露見による政治転覆、実にアメリカらしいテーマである。味方サポートメンバーからの狙撃から九死に一生を得たミッチが真実に迫る。スパイ小説ならでは躍動感のある傑作となっている。