沙高楼綺譚 の商品レビュー
全5話の短編集です。 刀剣鑑定を生業とする者 精神鑑定医 カメラマン ガーデナー ヤクザ 各人それぞれが、各界の名士の集う「沙高楼」で、胸に秘めた秘密を語る、というもの。 バラエティ豊かな一話一話が非常に濃く、胸をうたれる美しい物語。 文字通りの「綺譚」 読み終わった後...
全5話の短編集です。 刀剣鑑定を生業とする者 精神鑑定医 カメラマン ガーデナー ヤクザ 各人それぞれが、各界の名士の集う「沙高楼」で、胸に秘めた秘密を語る、というもの。 バラエティ豊かな一話一話が非常に濃く、胸をうたれる美しい物語。 文字通りの「綺譚」 読み終わった後の満足感と言ったらないです。
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高層ビルで繰り広げられる 秘密めいたクラブで各界の名士が語り合うウソのような真の話。 偶然にもこの本を読んだ後に 新撰組の本を読もうと思っていたので 「立花新兵衛只今罷越候」がおもしろかった。
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ひとには言えないすごい秘密話をもちよってこっそり教えあう会合のはなし。マスターはゲイ。 いろんなすごい話がでてくるよ。 さとこ
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『草原からの使者』も相当おもしろかったけど、第一弾のこちらもよかった。 読んでるうちに、沙高楼の不思議な雰囲気に包まれている気になってくるから不思議。 浅田次郎の本領発揮というところの語り口調での短編の物語集。 「糸電話」はうっかり寝る前に読んで、怖くて眠れなかった(笑) 一番好...
『草原からの使者』も相当おもしろかったけど、第一弾のこちらもよかった。 読んでるうちに、沙高楼の不思議な雰囲気に包まれている気になってくるから不思議。 浅田次郎の本領発揮というところの語り口調での短編の物語集。 「糸電話」はうっかり寝る前に読んで、怖くて眠れなかった(笑) 一番好きだったのは「雨の世の刺客」。ヤクザものだったら、浅田次郎以上の作家はいない!!
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「沙高楼にようこそ。今宵もみなさまがご自分の名誉のために、また、ひとつしかないお命のために、あるいは世界の平和と秩序のためにけっして口になさることのできなかった貴重なご経験を、心ゆくまでお話くださいまし。――お話になられる方は、誇張や飾りを申されますな。お聞きになった方は、夢にも...
「沙高楼にようこそ。今宵もみなさまがご自分の名誉のために、また、ひとつしかないお命のために、あるいは世界の平和と秩序のためにけっして口になさることのできなかった貴重なご経験を、心ゆくまでお話くださいまし。――お話になられる方は、誇張や飾りを申されますな。お聞きになった方は、夢にも他言なさいますな。あるべきようを語り、巌のように胸に蔵うことが、この会合の掟なのです――。」 この不思議な会合で語られる不思議な話、短編にして5編。冒頭の 「小鍛冶」 これを書きたかったからこそこれを作ったんじゃないかと思えるほど、この作品が抜きん出て秀逸。これだけで映画になりそう。私に刀剣マイブームの火をつけてくれました。いまとなっては身近なシロモノではないだけに、名刀たるものがなかなか想像できないんだけれど、序盤に出てくる「童子切安綱」 「大般若長光」 そして楠木正成の佩刀、「小竜景光」 この3つ、画像見つけましたよ。 安綱と長光は http://www.n-p-s.net/meitousen.htm 景光は http://hukumusume.com/366/world/isan/itiran_kokuhou/012.htm 「磨り上げながら、なお腰反りが高く、小板目肌の鍛えが詰み、浅く湾(のた)れた刃文は長船景光特有の片落互目(かたおちぐのめ)。。。」 じっさい刀を見て、それからこの描写を読むと、なんかぞくぞくしちゃうでしょ(私だけか ともかくこの一話目は深く心に残りました。精三の命は刀に宿って きっと体は消えてしまったんじゃないかな、なんて想像したり。2話目の「糸電話」 は女の怖さですね。偶然なんかじゃないよ、って心のなかでつっこんでたわ。女の気持ちはわかります。 「立花新兵衛只今罷越候」 これは 幕末ファンはたまんないとおもうよ。池田屋騒動を映画に撮ろうとしたら、立花新兵衛なる侍が撮影にひょっこり現れる。歴史モノの映画には、こういう魂が映ってるものもあるんじゃないかなあ、てほんとに思う。「百年の庭」も怖いなー。草花がこの女に憑依ってますね。植物には神経はないけど感情はあると思う。美しい庭を造るには、弱きや不浄を切り捨て、より強いものだけを伸ばしていく残酷さがないといけないんだってのをあらためて感じた。人の手の限りを尽くして造園された場所ってのは、実はもう植物が人を動かしてる空間なのかもな、と思いあたったら怖くなった。 ラストの 「雨の夜の刺客」 これがいちばんまっとう、というか、あるかもしれない話。ヤクザの世界。パワーバランスって単語がすごく現してるなあ、って。警察とヤクザの関係だけじゃなくて。ヤクザの中の世界も、外とは違うパワーバランスで保たれている世界。こういうので締めくくってるからバランスが絶妙だと思う。沙高楼でのこの会合、どうやらあとひとつ続編があるらしいので、ぜひぜひ探してみなくては!
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各界で活躍した名士たちが、秘密の部屋で集い、自分だけの胸に秘めていたストーリーを打ち明ける。 そのドラマティックな内容を短編仕立てにした本です。 どきどきする、怖い話に吸い込まれます。
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●日本三大職人作家の一人、浅田次郎の連作短編集。 ●主人公の「私」は、ふとしたことで旧知の刀剣鑑定家と再会する。 再会を懐かしむ鑑定家は、限られた人々しか呼ばれないと言う沙高楼での集いに、彼を誘う。 そこに集まるのは、極めて忙しいが退屈している人々。 彼らは、誰にも話すことの出...
●日本三大職人作家の一人、浅田次郎の連作短編集。 ●主人公の「私」は、ふとしたことで旧知の刀剣鑑定家と再会する。 再会を懐かしむ鑑定家は、限られた人々しか呼ばれないと言う沙高楼での集いに、彼を誘う。 そこに集まるのは、極めて忙しいが退屈している人々。 彼らは、誰にも話すことの出来ない話を、ここで披露する。 聞く側も、ここでしかその話を口にすることは出来ない。 高名な精神科医、著名な映画カメラマン、軽井沢の庭園番、極道の大親分と言った人々が、今宵も秘密の話をそっと口にする・・・。 ●てなわけで、まあ、普通? 面白いけど、浅田次郎だったらもっとこう、上のレベルに行って欲しかった。 こう言う幻想がかった話なら、皆川博子さんが名手ですが本作の浅田さんは、うーん、意気は買うけど・・・と言うところ。 確かに、はしばしで浅田テイストは出てるし、浅田次郎ですので一定のレベルには達してるんですが、それだけでは物足りない・・・。贅沢なのかね・・・。
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沙高楼に集う、ひとかどの地位にある人々がそれぞれの体験談を語る。「立花新兵衛只今罷越候」映画全盛期の銀幕が舞台で「活動写真の女」を思い出す。「雨の夜の刺客」も良かった(読了'07/08)
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初話から一気に引き込まれた。話が丁度自分好みのもので、しかも語り手がとある人を髣髴とさせるような人だったからかもしれないが。やはり浅田次郎は短編もいい。
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久々に見た浅田次郎モノ。いや、いつ何を見ても期待を裏切りません。そしていつ見ても任侠関係の方が出てきますね(笑) …それはさておき。今回はセレブ(一部除く)な方々の「人には言えない話」、4話。 やっぱり、秘め事はいつ聞いても楽しいものです。…えぇ、私は性悪。。。
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