1,800円以上の注文で送料無料

記号論の逆襲 の商品レビュー

2

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2011/04/06

何かを語っているようで全然面白くないという変な本。 「日本記号学会」という(まぁ、マイナーな)学会の結成20周年記念として発刊された書籍。 http://www.jassweb.jp/ 当時の会長である室井尚による序文を少し引用しよう。 ----- 1970年代...

何かを語っているようで全然面白くないという変な本。 「日本記号学会」という(まぁ、マイナーな)学会の結成20周年記念として発刊された書籍。 http://www.jassweb.jp/ 当時の会長である室井尚による序文を少し引用しよう。 ----- 1970年代から1980年代にかけて知的世界において一種のブームを引き起こしたことを思い起こしてみれば・・・・いまだに日本の大学や研究所には「記号論」の学科も研究科も設置されておらず、記号学者や記号論研究者を名乗る研究者もほとんど存在しない・・・・記号論は一時の流行に終わってしまい、もはや衰退してしまったと言わざるをえないかもしれない。 ------ ResearchMapで研究キーワードを「記号論」で研究者検索すると、ヒットするのは3人。うーーーむ。 http://researchmap.jp/search/ で、この2002年発行の書籍で「逆襲」と銘打っている大きい理由が「生命記号論」の盛り上がり(当時)。本書の半分は生命記号論に関する論文で、ホフマイヤーや松野孝一郎あたりがカキカキしている。でもつまらないんだ、これが。西垣通とかうざったい自意識ばっかりで内容が全くない。 唯一面白いのは一時期この学会の会長も務めた山口昌男のインタビュー。1960年代からのレヴィ=ストロースやシービオク、ウィーナーやタルスキにエーコにブルデューらとの交友録。日本の記号論の祖といってもいいのが山口昌男なんだ。そしてこの30ページぐらいの「過去」の記録だけが光っていて、それ以外は・・・。ほとんど「逆襲」がなされていない。 山口のインタビューの最終行を引用しよう。 ------ 学会そのものが終わってもいいということです。次はポスト記号論でやって下さい。 ------

Posted byブクログ