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マスタリング・データマイニング 理論編(理論編) の商品レビュー

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2009/10/04

原著は1巻ですが、本書は「理論編」と「事例編」の2巻に分けてあります。内容的に、それぞれ独立に読まれても結構ですが、両方を通読されることにおすすめします。「理論編」で扱われた問題が「事例編」でより深く掘り下げられおり、また「事例編」における問題点や課題を明確に理解するためには、「...

原著は1巻ですが、本書は「理論編」と「事例編」の2巻に分けてあります。内容的に、それぞれ独立に読まれても結構ですが、両方を通読されることにおすすめします。「理論編」で扱われた問題が「事例編」でより深く掘り下げられおり、また「事例編」における問題点や課題を明確に理解するためには、「理論編」が大いに参考になるからです。 データマイニングと言うと、「どのツール(アプリケーション)には、何とかというアルゴリズムが実装されている」ということが最も重要なことで、あとはデータを放りこめば、何か画期的な結果が返って来ると思われがちです。もちろん、アルゴリズムや手法も大切です。しかし、それは、最後の10%の段階のことであり、むしろより重要なのはそれ以前のプロセス、どんなデータをどういう方法で集めて来たのか、それら生データからどのように導出(加工)変数を作ったのか、従来はあまり語られることのなかった部分なのではないでしょうか。この部分の出来不出来が、最終的なモデルの出来不出来を決めることになります これらのプロセスは、いわば現場のノウハウとして、実際に分析に携わったことのある人間にのみ通じる経験談であり、共有化された知識になりにくいものでした。しかし、それを共通の知識として議論し、改良していくフローができない限り、データマイニングという分野に本当の進歩はないでしょう。それゆえに、こうしたプロセスの検討は、まさに「理論的」に語られるべき内容なのであり、それを従来の業界用語と関係者の暗黙知の世界から日のあたるところに引っぱり出してきたことに、本書の大きな意義があります。 本書は技術としてのデータマイニングを広範に取り扱い、その叙述も多くの実例に基づいています。一般に言う「理論書」とは、趣きが異なっているかもしれませんが、その生々しさゆえに、ビジネスの現場に対するインパクトは非常に大きく、また、実例に基づいたノウハウということで、学問上も大いに参考になると思われます。さらに事例編をあわせて読まれることにより、実際のデータマイニングの姿をご覧いただけるでしょう。

Posted byブクログ