河合隼雄著作集 第Ⅱ期(4) の商品レビュー
『物語とふしぎ』(岩波書店、1996年)のほか、8編の論考を収録しています。 『物語とふしぎ』は、児童文学にも造詣の深い著者が、物語のなかに描かれる自然や人物、町や村、そして物語の中を流れる時間が読者の心理にどのように響きあうのかを語った本です。著者の児童文学に対する情熱が息づ...
『物語とふしぎ』(岩波書店、1996年)のほか、8編の論考を収録しています。 『物語とふしぎ』は、児童文学にも造詣の深い著者が、物語のなかに描かれる自然や人物、町や村、そして物語の中を流れる時間が読者の心理にどのように響きあうのかを語った本です。著者の児童文学に対する情熱が息づいているような文章で、その語り口にぜひ実際に紹介されている作品を手にとってみたいと思わされます。 その他の論考でも、児童文学や絵本について論じたものが多いのですが、神戸の連続児童殺傷事件の際に発表された文章も収められています。『絶歌』出版騒動があったのはついこの前のことですが、「少年A」本人がみずからの心を「分かり急ぐ」という誤りを犯したのではないかと、本書収録の文章を読みながら思いました。
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