国家主義と闘った牧口常三郎 の商品レビュー
本書のテーマの一つである牧口の国体に対する態度については説得的だが、もう一つの戦争についてのそれについては十分だとは思えない。研究書ではなく啓蒙書なので些末な評論は無粋かもしれないが、公式かつ限定的な著作・資料のみしか扱われていないこと、牧口の人物そのものへの接近・記述が少ないこ...
本書のテーマの一つである牧口の国体に対する態度については説得的だが、もう一つの戦争についてのそれについては十分だとは思えない。研究書ではなく啓蒙書なので些末な評論は無粋かもしれないが、公式かつ限定的な著作・資料のみしか扱われていないこと、牧口の人物そのものへの接近・記述が少ないことなどはやはり残念。 なお、著者のいくつかの概念設定には問題があるように思われる。例えば牧口の言う人道的競争の競争を競走と置き換える提案がされているが、闘争/競争という一般的な概念整理を踏まえれば必要なかろう。牧口も闘争/競争を使い分けているようだ。
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