海を見る人 の商品レビュー
SFの短編集。表題作の「海を見る人」が切なくて好き。SFはあまり読まないけれどこれは情緒的で面白かった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
SFでも年代が違うと扱う事象みたいなのがずいぶん変わる。けどいいなと思うものって結構おんなじトリックとかを扱うような気がして結局なにか不思議な一貫性があるんだろうなと思うがそれを実際に書き示せないこの状態をなんとか克服したい。 母と子と渦を旋る冒険はどうやら著者的には電卓を叩いて実際に計算しながら考えることが面白くなる秘訣みたいに書かれていたけど、どうもそういうのが苦手な自分はこの掲載されてる中では最後やその他の描写の黒さに感覚がいってしまいあまりい感じには見えなかった。 良かったと思ったのは「門」と「キャッシュ」。使っているトリックはSF的によくあるけれどもそれをきれいにアレンジしてるところがいい。何となく全体的に女性像が強いと言うか優位的な立場とか感性にある気がした。 各章の最後にある短文がいいところをついてて次の物語を引き立ててたと思う、そこを読んだ時にどう感じるかでこの本がいいか悪いかが分かれそうな気がする。個人的にかなりいい導入になった
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2010年4月13日読了。第10回SFマガジン読者賞国内部門受賞作。球体の内側で「上に向かって落ちる」引力が存在する世界での冒険譚や、時間の流れが違う世界で生きる男女の淡い恋物語などを7編収録。作品世界を貫く論理は科学者の著者らしく、整然と展開される。そのほとんどは理解できないが...
2010年4月13日読了。第10回SFマガジン読者賞国内部門受賞作。球体の内側で「上に向かって落ちる」引力が存在する世界での冒険譚や、時間の流れが違う世界で生きる男女の淡い恋物語などを7編収録。作品世界を貫く論理は科学者の著者らしく、整然と展開される。そのほとんどは理解できないが・・・。独特の「冷酷な感じ」は、結局のところ人間=システムなのであり、システムを恨み人間性を賛美するような考え方は無意味・愚かであるとする世界観(当方の思い込みかもしれないが)から来るのか。我々の論理を超えた異常な世界であれ描かれているのは「他者を自分と同じように理解することはできない」というコミュニケーション不全の悲劇と希望であり、すぐれたSFはすぐれたファンタジー、恋愛小説になるのは必然なのか。
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夏祭の夜、浜から来た少女と恋に落ちた私は、一年後にまた会いに来るという儚い約束を交わした。なぜなら、浜での一年は、こちらの百年にあたるから・・ 時間枠が歪んだ世界や、奇妙な世界でおこる物語。 不思議な世界観でした。時間の進み具合が違う世界の話や、円筒形世界での物語・・そして宇...
夏祭の夜、浜から来た少女と恋に落ちた私は、一年後にまた会いに来るという儚い約束を交わした。なぜなら、浜での一年は、こちらの百年にあたるから・・ 時間枠が歪んだ世界や、奇妙な世界でおこる物語。 不思議な世界観でした。時間の進み具合が違う世界の話や、円筒形世界での物語・・そして宇宙での話など。どの話も難しい言葉で理論が述べられているのですがちんぷんかんぷんでして・・そちらに気をとられてしまうと、内容が入ってこなくなってしまうので、まあいっか と単純にストーリーを追うことにしました。 世界の歪みゆえにすれ違ってしまうようなストーリーが多く、なんとなく切なくなくなる話でした。
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「ハードSF」というジャンルだそうです。 電卓を片手に楽しむ超硬派な世界観らしいのですが、もちろん私には全く理解できません。(そもそも電卓で何を計算するのかわからない) でも理解できないのに好きなんです。 この作者の作品は、ホラーもSFもびっくりするような論理で展開される...
「ハードSF」というジャンルだそうです。 電卓を片手に楽しむ超硬派な世界観らしいのですが、もちろん私には全く理解できません。(そもそも電卓で何を計算するのかわからない) でも理解できないのに好きなんです。 この作者の作品は、ホラーもSFもびっくりするような論理で展開されるのに、不思議と心地好い。 この作品も科学部分は理解できないながらも、楽しませていただきました。
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「独裁者の掟」に鳥肌が立つこと間違いなし。 独裁者と反感を持つ者の行動と意味。 過去と現在を織り交ぜて、 「正義」 の定義を問うております。 最後にもう一度。 「独裁者の掟」に鳥肌が立つこと間違いなし。
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場所によって時間の進行が異なる世界での哀しくも奇妙な恋を描いた表題作、円筒形世界における少年の成長物語「時計の中のレンズ」など、冷徹な論理と奔放な想像力が生みだす驚異の異世界を描いた7篇を収録したSF短篇集。
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ハードSFです。短編集です。 表題作の「海を見る人」だけでなく「独裁者の掟」「門」など、切なくなるような、感動的な話が収録されています。 SFが嫌いでない方はぜひ。
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場所によって時間の進行が異なる世界での哀しくも奇妙な恋を描いた 表題作、円筒形世界における少年の成長物語「時計の中のレンズ」 など、冷徹な論理と奔放な想像力が生みだす驚異の異世界を描いた 7篇を収録したSF短篇集。
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SF短編集。表題の「海を見る人」は、標高が高くなるにつれ時間のスピードが速くなる世界での物語。時間がゆっくり進む海の村に住む少女と、反対に時間が瞬く間に過ぎていく山の村に住む少年の恋は…?? ラストは結構泣けます。 短編の合間にある、語りもなかなかよいです。
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