田中小実昌エッセイ・コレクション(1) の商品レビュー
呆れてしまった。拍子抜けした、と言っても良い。難しいことなどなにも書かれていない。著者は海千山千を潜り抜けて生きて来た東大哲学科のインテリだが、書かれているのは女性のことばかり。どんな女性に笑われて、どんなエッチをして来たか。あとは酒だ。でも、酒豪や性豪というわけでもなさそうだか...
呆れてしまった。拍子抜けした、と言っても良い。難しいことなどなにも書かれていない。著者は海千山千を潜り抜けて生きて来た東大哲学科のインテリだが、書かれているのは女性のことばかり。どんな女性に笑われて、どんなエッチをして来たか。あとは酒だ。でも、酒豪や性豪というわけでもなさそうだから困ったものである。コミさんはきっと、「少年」だったのだろう。性差別的な言葉は使いたくないが、フェミニンな感受性を備えていた人、とも言える。だから、タフネスもなければマッチョイズムもない。尖ってもいない。まろやかな文体がクセになる
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新宿ゴールデン街の住人、酔客、女性陣、作家、家族、小実昌さんが関わりを描く事で、小実昌さんの人間性が浮かび上がる。本質を捉えて本音で生きた人だった。
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- ネタバレ
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このエッセイを読み終わったその日に、このエッセイでも語られていた野坂昭如氏が亡くなられました。だんだん個性的な作家がいなくなって、淋しい気持ちでいっぱいです。コミさんは日頃は脱力感漂う酒飲みのおじさんといった感じなのですが、時々語られる哲学的な言葉にハッとすることがあります。その落差が良いのです。 野坂氏も破天荒な言動で、ときの人になられたこともありますが、その本質は優しい正義のひとであったように思います。マスコミに媚びない硬骨の文士よ、現れよ!
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いつもの小実昌さんの雑文だが、実は哲学的命題が随所に散りばめられている、のかな?と思わせられるような楽しい?本なのですね。
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