船の歴史事典 コンパクト版 の商品レビュー

アティリオクカーリ(著者),エンツォアンジェルッチ(著者),堀元美(訳者)

2009/10/04

ファンタジーを訳していてやっかいなのは、舞台背景が中世や近世をトレースしていて、当時の文物がくわしく描写されるとき。原作者の脳内で創造されたものは文面通り訳せばいいですが、実際にあったものと空想がミックスされた境界線上のものはどこからどこまでが事実か裏を取る必要が出てきます。服装、武器、住居、食べ物、飲み物、舞台となる国や地域や都市などその範囲は多岐にわたります。最近も1941年発行のドイツの百科事典を入手しました。これでナチ時代の「正史」とでもよべる情報はバッチリ。あるいはドイツ各地、イタリア、スイス、オーストリア、ロンドンなどの1900年代から1950年代までのドイツ版旅行ガイドを各種持っています。当時の交通事情、ホテルやレストランなどの情報までバッチリ裏がとれます。船関係の場合はこれを利用します。昔、もっと大きな親版がありましたが、1000点以上のイラスト入りで、古代から現代までの船の歴史が見渡せます。

2009/10/04

丸木船から帆船、蒸気船、近代艦艇までをイラストで紹介した本。主な艦艇名、人名や海事用語（一部だが）を索引でひけるので、本を読むときに傍らにおいておくと良いかもしれない。年表もある。残念なのは、船のスペックが載っていないため（載っているものもある）、船の大きさや定員などがわからないこと。（コンパクト版は1997年に出たA4版のものを、B5版にして2002年に出版したものらしい）