数学の基礎 の商品レビュー
この本は集合・位相の本ではないことをまず断っておく。それに関する部分ももちろん語られているが、実数体の構成等、本来の意味での現代数学の基礎に重きが置かれていることに注意されたい。
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数学の基礎的なところを教える本を数冊比較してこれを購入。店頭で選んだので内容の比較までは十分行わなかったが、本書を選択したポイントとしては... - 活字が滑らかで読みやい - 説明文に突き放されている感覚がない - カバー下の装丁が良く、手になじむ とくに活字はこの手の本の...
数学の基礎的なところを教える本を数冊比較してこれを購入。店頭で選んだので内容の比較までは十分行わなかったが、本書を選択したポイントとしては... - 活字が滑らかで読みやい - 説明文に突き放されている感覚がない - カバー下の装丁が良く、手になじむ とくに活字はこの手の本の中では最も滑らかで、他の30年前の版をそのまま使っているようなものと比べると明らかに読みやすい。 ひとまず日常的に振り回しやすい本を選べたので満足。
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集合・位相が主体の本であるが、特に実数体の構成に力をさいている。最後の付録には、公理主義的集合論ZFC(ツェルメロとフレンケルの選択公理を採用した標準的公理系)を載せて自然数を構成している。 前書きでいわく、日本の本で、実数論をがっしり書いている本はほとんどないとのこと。また...
集合・位相が主体の本であるが、特に実数体の構成に力をさいている。最後の付録には、公理主義的集合論ZFC(ツェルメロとフレンケルの選択公理を採用した標準的公理系)を載せて自然数を構成している。 前書きでいわく、日本の本で、実数論をがっしり書いている本はほとんどないとのこと。また、公理主義的集合論もほとんど教えられていないということ。 前半では、集合一元論的な態度、自然数から整数環、有理数体、実数体の構成などがある。有理数体からの完備化、完備化の一意性などなど。 後半は、位相に入り、開集合系、閉集合系、閉包、開核、近傍系によるそれぞれの位相の定義と同等性などから始まり、距離空間、ハウスドルフ空間、稠密、コンパクト性、連結性などなど。 一番最後に論理式の導入から公理系の記載、自然数の構成など。 「この本の内容は数学者志望の人向けであって、自然科学者や工学者志望の人がやるのは時間がもったいない。これを知らなくても立派な数学者や自然科学者になれる。現に知らない数学者はけっこういる。」とか、「これから群・環・体の定義を示すが、ここで代数論をする気は全くない」とか、「複素数体の構成を示すが、これは有理数体の構成同様、少しめんどくさいが難しいことはない。しかし全くおもしろくない。」とかいったような内容のことが書いてあって、おもしろいなって思った。 少々変わった本かも知れないけど、説明はかなりわかりやすい。また、完備化や切断のアイディア、位相空間論の斬新な概念、集合の濃度のことなど、非直感的な概念・定理であふれているこの世界はかなりおもしろい。 そして、新しい数学は無限との闘いだったのだ!ということを知りました。ポイントと思われるところ(例えばちょっと同じに見える開集合系と閉集合系の定義の違い)に必ず無限が!
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