バチカン・ミステリー の商品レビュー
かつてローマのイギリス神学校に学び、ジャーナリズムの世界に転進し、ゴールドダガー賞を受賞した犯罪作家であるジョン・コーンウェルは、バチカンの全面バックアップの元、 教皇の死の謎を解明するべく書物を執筆するよう依頼される。 1年をかけて内外部の取材を行い、どの作家も描くことができ...
かつてローマのイギリス神学校に学び、ジャーナリズムの世界に転進し、ゴールドダガー賞を受賞した犯罪作家であるジョン・コーンウェルは、バチカンの全面バックアップの元、 教皇の死の謎を解明するべく書物を執筆するよう依頼される。 1年をかけて内外部の取材を行い、どの作家も描くことができなかった内容のノンフィクションを書き上げた。 それが本書である。 本書は2001年に日本語訳として出版されたものであり、それより以前のイタリア発売にあたっては、爆発的に書店で買われ、国際的にもベストセラーになった。 最近、ダン・ブラウンの小説の世界的大ヒットにより、彼の描いた『天使と悪魔』で、コンクラーベという言葉を知ったり、改めてバチカンとは謎多き小国であるというイメージを持った人も多いと思う。 実際、バチカン市国を訪れると、ローマという都市のなかの一つの場所というか、全くの異国に来たという印象は受けない。 カトリックの総本山という持つべき意味をクリスチャンでない私にとっては、希薄に感じられるのもひとつの理由だろうが、その小国バチカンが、歴史的にも世界的にも重要な聖地であることはよく理解している。 ジョン・コーンウェルは、バチカンからの要請で、1年にわたり、取材を重ね、問題の解明に取り組んだ。 当事者に該当する人物で亡くなっている人々もいたが、閉鎖的な世界であるバチカンで、特権的な立場で取材できるにしても色々な苦労が窺える。 ヨハネ・パウロ一世は、殺されたのか、それとも病死なのか。 それは、本書を読んでも謎は残るかもしれない。
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在位僅か33日で急死したヨハネ・パウロ1世の謎に迫るノンフィクション。著者は法王庁からの正式依頼を受けて調査を始めるが・・ 聖域内部は水戸の印籠も通じぬ魑魅魍魎の棲家。通常のノンフィクションは調査過程を整理したうえで読者に呈示されるものだが、本書は調査過程に沿って忠実に記述されて...
在位僅か33日で急死したヨハネ・パウロ1世の謎に迫るノンフィクション。著者は法王庁からの正式依頼を受けて調査を始めるが・・ 聖域内部は水戸の印籠も通じぬ魑魅魍魎の棲家。通常のノンフィクションは調査過程を整理したうえで読者に呈示されるものだが、本書は調査過程に沿って忠実に記述されている。従って忘却や思惑が入り混じり関係者の証言は大きく食い違う、まさに真相は『藪の中』状態。芥川龍之介作では7人の証言者が登場するが本作では遥かに多くの教会関係者が登場し勤勉とは言えない読者の私は混乱の極致。唯、読後感は悪くない。
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ヨハネ・パウロ1世の10年後に行われた真相調査には、やはりバチカン官僚の壁があった。それにしても、苦しみや痛みの痕跡も残さず人は死ねるものなのか。
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ミステリかと思いきやノン・フィクションらしい。登場人物が多すぎてつらかった。事件の背景とかゴシップを既に知っている人にはいいかもしれない。
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法王暗殺疑惑について。 事実はどうであれ、バチカン内部の聖職者がこんなことを言ったのか…!と思うとゾッとする、どこか象徴的な台詞が多々ある。
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