おまもり の商品レビュー
児童向けのせいか、捕虜交換のためのユダヤ人だったせいかは分からないが、今まで読んだホロコースト系の本と比べると表現がマイルドのような気がする。それでも十分伝わるホロコーストの悲惨さ。よくぞこの一家は生き抜けたものだと思う。
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感情に訴えるような文面でなく、淡々と書かれているかんじ。アメリカに渡ってからの話もあり、とても興味深かった。
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「水晶の夜」みたいにあことがあったのに、ドイツに残りたいと思う人などいるかしら?あの事件には警告以上の力があった。破局の始まりだった。ドイツに残るユダヤ人はあらゆるものを奪われ、社会から疎外されてクラスことになるだろうし、生き残れるかどうかさえ、日に日に危うくなるだろう。他の国は...
「水晶の夜」みたいにあことがあったのに、ドイツに残りたいと思う人などいるかしら?あの事件には警告以上の力があった。破局の始まりだった。ドイツに残るユダヤ人はあらゆるものを奪われ、社会から疎外されてクラスことになるだろうし、生き残れるかどうかさえ、日に日に危うくなるだろう。他の国はみな、ドイツの内政に口出しをしないことにしているようで、とりわけ、ユダヤ人の扱いについてh穴にも発言しなかった。 1942年7月15日、ヴェステルボルクから東ヨーロッパに向けて最初の輸送が行われた。以降ほとんど毎週のように、時には週に2度、空の家畜用車両が収容所の引き込み線に入ってきて、人々を荷物のように積み込んでいった。こうした輸送が、全部で93回繰り返された。1回につき平均1,000名が載せられていったが、時には3,000名もの人々が連れていかれることもあった。あらゆる年齢の男性、女性、子供たちが、中には収容所の病棟から担架で運ばれた病人も混じっていた、手荷物とともに、がらんとした木造の貨車に詰め込まれる。それぞれの貨車にはトイレ代わりに、砂の入った空バケツが一個置かれているだけだった。ヴェステルボルクで舗装された道といえば、プラットフォームの横の道だけ。
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ナチスによって迫害を受けたユダヤ人家族の物語。 ドイツからオランダ、アメリカへと出国できるはずが、その度に阻まれます。 ソヴィエト連合によって解放されながも、父親はチフスによって亡くなります。 残りの家族は、アメリカへ渡ることができましたが。 いち議員にすぎなかったヒトラーが、...
ナチスによって迫害を受けたユダヤ人家族の物語。 ドイツからオランダ、アメリカへと出国できるはずが、その度に阻まれます。 ソヴィエト連合によって解放されながも、父親はチフスによって亡くなります。 残りの家族は、アメリカへ渡ることができましたが。 いち議員にすぎなかったヒトラーが、他国まで戦圧するようになった過程を一般市民の視点から書かれた箇所。 ヒトラーがユダヤ人を迫害する動きが、他人事から実際に身に降りかかる過程。 これらが、平和な時がいつ壊されてもおかしくないのだと危機を感じさせる。
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ホロコーストを11歳で生き延びた少女マリオンの家族の物語。ドイツからオランダへの逃亡、収容所での日々、解放からアメリカへの移住まで、本人による自伝。 原作は『Four Perfect Pebbles』。著者のMarion Blumenthal Lazanは、講演活動も行っている...
ホロコーストを11歳で生き延びた少女マリオンの家族の物語。ドイツからオランダへの逃亡、収容所での日々、解放からアメリカへの移住まで、本人による自伝。 原作は『Four Perfect Pebbles』。著者のMarion Blumenthal Lazanは、講演活動も行っている。以下のホームページには講演予定、教材の紹介などが掲載されていて、直接連絡をとることもできます。http://www.fourperfectpebbles.com/
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトルの通り、ホロコーストを生き抜いたユダヤ人一家の話しです。その一家を通して家族の意味までも問いかけてくる本です。 巻末に「あわせて読んで欲しい本」「アンネ・フランクについて」の文献リストと詳しく知りたい人むけのHPリストがついてます。
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一枚の写真がある。 女性が屋外でじゃがいもの皮を剥いている。その横の女性は剥いたじゃがいもを煮ようとしている。 女性たちの背景のように写っているのは堆く積み上げられた多数の死体。 背後の死体は全く気にしない様子の女性たち。じゃがいもを剥いている女性は俯き加減でうっすら笑みさえ浮か...
一枚の写真がある。 女性が屋外でじゃがいもの皮を剥いている。その横の女性は剥いたじゃがいもを煮ようとしている。 女性たちの背景のように写っているのは堆く積み上げられた多数の死体。 背後の死体は全く気にしない様子の女性たち。じゃがいもを剥いている女性は俯き加減でうっすら笑みさえ浮かんでいる。 写真は、1945年、ベルゲン=ベルゼン収容所解放直後に撮られたものである。 じゃがいもを剥いてる女性は解放された喜びに満たされているのであろう。背後の夥しい同胞の遺体は悲しくもその解放の意味を伝えている。 ベルゲン=ベルゼン収容所はアンネ・フランクがチフスで亡くなった収容所である。この写真が撮られたのと同じ1945年のことだった。 『おまもり』 の副題は、<ホロコーストを生き抜いたある家族の物語> もう一枚の写真がある。 髪に大きなリボンをつけた可愛い斜視の少女。 少女の名前は、マリオン・ブルメンタール。 アンネと同じくドイツ系ユダヤ人に生れたマリオンは5歳の時に両親、兄とともにオランダのヴェステルボルク収容所に送られる。その後、ベルゲン=ベルゼン収容所へ。マリオン一家がベルゲン=ベルゼン収容所に収容されたのは1944年。そして1945年の4月15日にイギリス軍に解放される6日前まで一家はこの収容所で過ごす。 マリオン一家とアンネは互いを見知っていたかどうかは不明だが同じ収容所で同じ時を刻んでいた。アンネ・フランクは収容所解放のちょうど一月前の3月15日に亡くなっている。 マリオンもアンネもユダヤ人に生れた。 聖書の四福音書を書いたルカ以外のマタイ、マルコ、ヨハネもユダヤ人であった。 国家を持たないユダヤ人は、それぞれの国で根附いたが、ドイツでのユダヤ人はドイツ国民の人口の1パーセントにも満たなかったという。 ヒトラーはユダヤ人、共産主義者、ロマ、ポーラーンド人やロシア人などのスラヴ系民族までも劣等民族とみなし、ドイツ人のなかでも精神的肉体的に障害をもつ人、同性愛者も生きている価値がないと公言した。 ユダヤ人というだけで迫害を受けることになったマリオン一家は、オランダのヴェステルボルク収容所からベルゲン=ベルゼン収容所に送られ、列車に乗せられて二週間後、ソビエト軍に解放される。 ベルゲン=ベルゼン収容所にいた日々は一家にとって地獄だった。寒さと餓えとチフスの蔓延との闘い。 いつ処刑されるかという不安と戦う毎日。 次々と死んでいくまわりの人々。 そんな生活の中でマリオンはおまもりとして、そっくり同じ小石を4つ見つけることを生きがいとしていた。 3つまでは見つかっても4つめがなかなか見つからない。 その小石をおまもりとしてそれぞれが持っていたいと思ったのだ。 せつない。 解放されてほどなく、父がチフスで亡くなってしまう。 一時オランダに戻った一家はオランダからアメリカに渡る。 アメリカに渡った母子3人は苦労をしつつも幸せな生活を手にいれ、マリオンは収容所での経験を語る活動を続けているという。 いつのまにか、国が狂気に支配される。 わたしたちの日本も種類は違っても何か間違った方向に歯車がまわりはじめてはいないか? うっすらと靄のように広がる不安を感じつつ、命の重さを改めて考えてみるのだった。
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