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2010/08/22

 蜷川氏の演出した舞台に関して、氏へのインタビューをまとめた本である。こぼれ話、楽屋落ち、自己解説、演出論、演劇論。どれとも言えるしすべてを含んでいる。だが、僕が圧倒されるのは、氏の意志である。読めば読むほど、意志の力が僕に迫ってくる。「おまえはそれでいいのか」と呼びかけてくるよ...

 蜷川氏の演出した舞台に関して、氏へのインタビューをまとめた本である。こぼれ話、楽屋落ち、自己解説、演出論、演劇論。どれとも言えるしすべてを含んでいる。だが、僕が圧倒されるのは、氏の意志である。読めば読むほど、意志の力が僕に迫ってくる。「おまえはそれでいいのか」と呼びかけてくるような気がする。もちろん、氏の目には、僕のような小さな存在が入るはずもないのだが。  演劇というものに、自分なりに思いをかけてきた僕にとって、これはバイブルに等しい。それと同時に、もしはじめて芝居に関わった高校時代より前にこの本を読んでいたら(もちろんまだ出版されていないけど)、絶対に今のような形では演劇に関わっていないだろうな、という気がする。

Posted byブクログ