ソルトマーシュの殺人 の商品レビュー
著者の第4長編であり、魔女の血を引くという異色の名探偵ミセス・ブラッドリーが、イギリスの片田舎ソルトマーシュ村で起きた怪事件の謎に挑みます。 著者の作品を読むのは第2長編「ウォンドルズ・パーバの謎」に続いて2冊目ですが、本作品でも登場人物も話の進み方(笑)も一筋縄ではいきません。...
著者の第4長編であり、魔女の血を引くという異色の名探偵ミセス・ブラッドリーが、イギリスの片田舎ソルトマーシュ村で起きた怪事件の謎に挑みます。 著者の作品を読むのは第2長編「ウォンドルズ・パーバの謎」に続いて2冊目ですが、本作品でも登場人物も話の進み方(笑)も一筋縄ではいきません。 謎解きとしては特筆すべきものはないかもしれませんが、こんなところが、結構癖になりそうです。 本作品では特に助手役にされてしまった副牧師のノエルがいいアクセントになってます。
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1932年の英国黄金期の作品。イギリスの平和な片田舎で、妙な事件が次々と起こり、ついに殺人事件まで発生。得体の知れぬ魔女みたいな心理学者のミセス・ブラッドリーと、なぜか行きがかり上ワトソン役にされちゃった副牧師の僕が事件を追う。 …とあらすじだけ書くとベタな英国ミステリのようです...
1932年の英国黄金期の作品。イギリスの平和な片田舎で、妙な事件が次々と起こり、ついに殺人事件まで発生。得体の知れぬ魔女みたいな心理学者のミセス・ブラッドリーと、なぜか行きがかり上ワトソン役にされちゃった副牧師の僕が事件を追う。 …とあらすじだけ書くとベタな英国ミステリのようですが、何とも独特な読後感。 自分が読んでる最中に感じていたことは本書の「訳者あとがき」で綺麗にまとまっていたので引用します。 『盛り上がるべきところで盛り上がらず、本来なら盛り上がるはずのないところで、突如、盛り上がったりする面白さなのである』 そうそう。そういう感じ。ハイテンポでポンポン話が進みつつ、でも一本道ではない。必要なのか不要なのか良く判らない情報が飛び交い、ストーリー上、力の入れるところと抜くところが王道パターンからずれているため、読者が振り回される。(振り回されつつ、それが楽しめるのは構成力なのか文章力なのか…?) いずれにせよ、単調なようで気の抜けない雰囲気が面白い。 あらすじにある、「英国ファルス派、オフビートなユーモアに満ちた作品」とはなんぞやと思ってましたが、読んでみたらなるほど!でした。(逆に読まないと判らんね。この感覚) じわじわクセになりそうな作風なので、もうちょっと他の作品にもチャレンジしてみようと思います。
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イギリスの小さな村ソルトマーシュの牧師館でメイドをしていた娘が、父親の知れない子を身籠って牧師館を追い出された。やがて子供が生まれてその父親が領主では?との憶測する噂が流れる中、男が地下室に閉じ込められ、採石場近くのバンガローを訪れた副牧師を何者かが襲撃する等、怪事件が続発する。...
イギリスの小さな村ソルトマーシュの牧師館でメイドをしていた娘が、父親の知れない子を身籠って牧師館を追い出された。やがて子供が生まれてその父親が領主では?との憶測する噂が流れる中、男が地下室に閉じ込められ、採石場近くのバンガローを訪れた副牧師を何者かが襲撃する等、怪事件が続発する。 領主館での村祭りの日、牧師が行方不明になり、メイドは殺され、赤ん坊は行方不明になった・・・・ 領主館に滞在していた魔女の血を引くと言う女探偵が、副牧師を助手に事件を解明するこの物語、不思議な魅力に満ちています。 何しろ登場人物と来たら変人奇人のオンパレードだし、あちこちで大騒ぎな割りには殺人事件はまるで別のところに起きる。サイドストーリーを面白がって読みながら「これは本筋とどう絡んでくるのかな〜」と期待しているとまるで関係なかったり、と言うことの連続です。 でも、読んでいるうちにその肩透かし感が段々快感になってきて、コージー風の仕立てながらコージーではなく、不思議なユーモアの漂う独特の世界を楽しみました。 トカゲやワニに似ていると言う魔女にして心理学者のミセス・ブラッドリーの、殺人を犯したことがあると言う過去や、著名は弁護士を息子に持つその家庭生活など、その複雑な内面に興味津々です! 1932年に発表されたそうですが、そのシュールなタッチは少しも古さを感じさせません。
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