よみがえる鳥の歌(上) の商品レビュー

セバスチャン・フォークス(著者),松本みどり(訳者)

2021/02/06

孤独な青年スティーブンが愛を知ったと思ったら戦場へ。イザベルの「大胆な行動」に反する「覚悟の無さ」は、現代よりも男性に頼って生き抜かねばならなかった時代だし、天邪鬼な点もわからんでもないけれども、愛する人・家族・自分自身、全てを幸せにしない選択に見える。「想い」は身近な人であっても正確に伝わらない。それぞれの人の想いが、戦場での死んでいくちょい役の一人ひとりにもあり感情移入してしまう。そのせいか読了後はすこし疲れた気持ちだけれども、早く下巻に行きたいな。

2017/09/03

【G1000/4冊目上巻】若さと欲望にかまけ、根拠の無い自信をもって家を飛び出した許されえぬ2人は、イザベルの自分勝手な思いやりによって破綻する。その6年後第一次世界大戦のフランス戦線にいたスティーブンはこの世の終わりに居合わせる。……のだが、正直上巻だけでは全く評価不能な作品。第一部の出来事も第二部の出来事も現実感が無く、話の繋がりもわからない。そもそもイザベルも20代なのか、30代なのか、それ以上なのか、検討もつかないので情景が浮かばない。要はキャラが立ってないのである。感想は下巻に譲ることにする。