アイルランド民話紀行 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
著者はアイルランドでの口承文化の衰退を案じるが、日本ではそれが半世紀早く生じ、今や語りの文化は失われたといってもよい。これだけ多様なメディアによる情報社会になれば、いかんともし難いのだろう。ただ、この本を読む限りではアイルランドの人びとの方が、我われよりも強く自国の文化に誇りを抱いているように感じる。
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[ 内容 ] アイルランドの民謡が長いのは、それがもともと、物語を語るメディアであったため。 文字に頼らず、口承を旨としてきたケルトの末裔たちにとっては、歌もまた物語の一種なのだ。 歌を通してアイルランドの語りに興味を抱いた著者は、緑の島の各地を訪ね、語り部や主婦、俳優、ミュージ...
[ 内容 ] アイルランドの民謡が長いのは、それがもともと、物語を語るメディアであったため。 文字に頼らず、口承を旨としてきたケルトの末裔たちにとっては、歌もまた物語の一種なのだ。 歌を通してアイルランドの語りに興味を抱いた著者は、緑の島の各地を訪ね、語り部や主婦、俳優、ミュージシャン、映画監督など様々な人に出会う。 笑い話や妖精譚、運命と戦う美女の神話などから浮かび上がる、アイルランドの民衆史。 それらを語る人々の、口承文学への熱い思い…。 「妖精の国」の真実の「心」を、時にユーモアを、時に心あたたまるエピソードを交えて伝える好著。 [ 目次 ] 第1章 「語り部」に会う―コーク 第2章 「笑い」と生きる―ウェクスフォード 第3章 妖精を探して―ドニゴル 第4章 アイルランドの女―スライゴー 第5章 「物語り」はどこへ行くのか―北アイルランド 終章 伝えゆく心―ダブリン [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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