グレースと公爵 の商品レビュー
フランス革命。パリに…
フランス革命。パリに住む王党派の美しい英国貴婦人グレース・エリオットの人生は波乱にとんだものだった。ギロチンの刃に脅かされながら困難な局面を幾度もその機転と度胸で切り抜ける。人権宣言の光は恐怖政治の闇を伴い、彼女には革命の闇の部分が良く見えた。優柔不断でルイ16世の従兄弟でもある...
フランス革命。パリに住む王党派の美しい英国貴婦人グレース・エリオットの人生は波乱にとんだものだった。ギロチンの刃に脅かされながら困難な局面を幾度もその機転と度胸で切り抜ける。人権宣言の光は恐怖政治の闇を伴い、彼女には革命の闇の部分が良く見えた。優柔不断でルイ16世の従兄弟でもあるオルレアン公。かつて愛した彼に王の助命を懇願する。やがて彼女もスパイの嫌疑で投獄され…。
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※このレビューにはネタバレを含みます
オルレアン公の愛人だった女性の回想録。 日本語で読める希少な一次資料だと思う。 回想録はその信憑性を懐疑的に論じられる類の書き物のようだが、 このグレース・エリオットの回想録は、歴史家として高名な アンドレ・カストロ氏が参考資料として採用していることから、 信頼に足ると評価されているようだ。 実際読んでみると、完結な文章ではあるが革命期の恐々たる様子が 生々しく伝わってくる。 また、当時の貴族の日常生活、たとえば 朝から客人が(おそらく前触れもなく)やって来ることが普通であり、 家主は朝であれば朝食を、昼であれば昼食をふるまい接待する、 と言った暮らしぶりを窺い知ることができる。 翻訳は首をひねりたくなる箇所がいくつかあった。 「エリザベート皇女は陛下の姉上にあたり、、、」と書いてあるが、 エリザベートは正確には「王女」だし、「陛下の妹君」だ。 回想録と言うのは思い違いを書いてしまう場合もあるので、 必ずしも訳が間違えているわけではないのかもしれないが、 原注のページに一文加えて欲しかった。
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ちょうどベルばらにハマってフランス革命に興味を持っていた時期に、映画が公開されたので読んだ本。 フランス革命というものを、ある視点を通じて見ることができる。 本人の著作なので、歴史書や小説を読むのとはひと味違う体験。 グレースは聡明で芯のある女性。動乱の時代を生きた、一人の女性...
ちょうどベルばらにハマってフランス革命に興味を持っていた時期に、映画が公開されたので読んだ本。 フランス革命というものを、ある視点を通じて見ることができる。 本人の著作なので、歴史書や小説を読むのとはひと味違う体験。 グレースは聡明で芯のある女性。動乱の時代を生きた、一人の女性の物語として読んでも面白い。
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フランス革命を経験した英国女性グレース・エリオット(1755〜1823年)の手記。 オルレアン公(1747〜1793年)の元愛人で、革命当時もよく一緒に食事をする仲。 オルレアン公はパレロワイヤルを一般に公開し、ルイ16世を打倒しようという一派の巣窟としていた人物だが、グレースの...
フランス革命を経験した英国女性グレース・エリオット(1755〜1823年)の手記。 オルレアン公(1747〜1793年)の元愛人で、革命当時もよく一緒に食事をする仲。 オルレアン公はパレロワイヤルを一般に公開し、ルイ16世を打倒しようという一派の巣窟としていた人物だが、グレースの意見によれば、取り巻きが勝手なことをしていただけだというんですね。 若い頃には英国王子と恋仲になって娘を生み、その後フランスへ渡り、一時は貴族の逃亡を助けて気丈に活躍。革命期には18ヶ月も投獄される。 投獄の末期に、ボーアルネ子爵夫人(後のナポレオンの妻)と一緒だったという面白すぎる経歴。 15年後、王政復古の時にはまたフランスへ行ったというんですから、よほどフランスが好きだったんですね。 1801年に英国王ジョージ3世の依頼で書かれ、半世紀後に孫娘が出版、2002年発行のこの本は2001年の版を翻訳した物。
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