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カブキの日 の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2018/07/16

小林恭二作品初読。 「歌舞伎の国のアリス」という感じでした。幹部の一階、役者の二階、混沌とした三階…迷路のようで扉を開けるたびに現れる不思議な世界と踊り、危険な目にあって、三階の奥に住まうと信じられている伝説の人物…。船舞台の謎とヤヤコ踊の哀しさと美しさ。 それと同時並行して起こ...

小林恭二作品初読。 「歌舞伎の国のアリス」という感じでした。幹部の一階、役者の二階、混沌とした三階…迷路のようで扉を開けるたびに現れる不思議な世界と踊り、危険な目にあって、三階の奥に住まうと信じられている伝説の人物…。船舞台の謎とヤヤコ踊の哀しさと美しさ。 それと同時並行して起こる、歌舞伎の派閥争いと顔見世の大舞台による張り詰めた緊張感。事件と疑惑の噂。 21世紀の歌舞伎が大流行して、全ての人の熱量と関心と金が歌舞伎に集まっている世界線なら起こり得たかもしれない、歌舞伎を舞台にしたファンタジー、キラキラしい歌舞伎と先の全く読めないドキドキ感が面白かった。 ところどころ挟まれる長唄?狂歌?の意味を理解できる感性と歌舞伎の知識が私になかったので、どこまで実在の歌舞伎を踏まえているのかが読み取れず、残念でした。

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2017/11/23

神々のちょっとしたいたずらが舞台に大混乱を招き寄せる しかしそれがたたき台となって、奇跡的パフォーマンスを生じる 「プロレスの神」アントニオ猪木が後にやろうとしたことだ 数年先立って、ここではカブキを題材に行われている 猪木のそれは散々な結果だったが しかしこの小説では カブキの...

神々のちょっとしたいたずらが舞台に大混乱を招き寄せる しかしそれがたたき台となって、奇跡的パフォーマンスを生じる 「プロレスの神」アントニオ猪木が後にやろうとしたことだ 数年先立って、ここではカブキを題材に行われている 猪木のそれは散々な結果だったが しかしこの小説では カブキの申し子と呼ぶべき2人の「貴種」が出現して 奇跡を成立させている 2人の演技が具体的にどんなものか、誰もが知りたがることだろう とにかくすごすぎてポエムでしか表現できないほどだ(アカン) まあファンタジーと思えば済む話なんだけどね もうひとつ プロパガンダというものについて考えないわけにもいかんのだ

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2015/01/08

見えるはずのない 阿国踊り が 見えてくる 聞こえるはずのない 下座の囃子が 聞こえてくる そこ(世界座)にいないのに その桟敷席の片隅で一部始終を見ているような その臨場感がすばらしい 私たち(日本人)の中に流れている カブキの文化を愉しむDNAを 引き出してもらったような気...

見えるはずのない 阿国踊り が 見えてくる 聞こえるはずのない 下座の囃子が 聞こえてくる そこ(世界座)にいないのに その桟敷席の片隅で一部始終を見ているような その臨場感がすばらしい 私たち(日本人)の中に流れている カブキの文化を愉しむDNAを 引き出してもらったような気がする 歌舞伎のことが よくわかっている人は むろんのこと 歌舞伎を 全く見たことのない人も 充分 楽しめる 極上のエンターティメントですね

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2014/10/10

カブキを巡る革新派と保守派のあらそいのなか、女性に生まれたが故に、歌舞伎役者になれないのだが革新の騎手でありかつ別の顔がそれを支える脚本家である祖父に導かれ大舞台で大事な役を果たすまでになるカブキを巡るちょっとしたスペクタクル。カブキの勉強になるし、ちょっとしたサスペンスとしも面...

カブキを巡る革新派と保守派のあらそいのなか、女性に生まれたが故に、歌舞伎役者になれないのだが革新の騎手でありかつ別の顔がそれを支える脚本家である祖父に導かれ大舞台で大事な役を果たすまでになるカブキを巡るちょっとしたスペクタクル。カブキの勉強になるし、ちょっとしたサスペンスとしも面白い。カブキに興味のある方は是非。

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2013/05/30

三島賞の作品はおもしろいの多いな―ってことでこの作品.カブキの日.最初はなんじゃこりゃっていう文章で難しいなーって思ってたけど歌舞伎に魅かれていたので読み進めて見れば高揚感.作者のリズムに持ってかれてしまいました.私たちが作品を読む、批評するというのは「作者の死」によって償われる...

三島賞の作品はおもしろいの多いな―ってことでこの作品.カブキの日.最初はなんじゃこりゃっていう文章で難しいなーって思ってたけど歌舞伎に魅かれていたので読み進めて見れば高揚感.作者のリズムに持ってかれてしまいました.私たちが作品を読む、批評するというのは「作者の死」によって償われるといいますが、この作品には持って行かれますた!

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2017/08/15

 小林恭二は好きなので、手にとって読んでみたものの、なんだかよくわかりませんでした。ファンタジーを書きたかったのか、千と千尋っぽい印象を受けました。  もう一回読めば理解できる気がしなくはないですが、たぶん読み返さないと思います。

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2009/10/04

劇的なる傑作長篇小説 第11回三島由紀夫賞受賞 今日、運命の舞台に奇跡が生まれる 日本一の大劇場「世界座」の迷宮をめぐる、美少女・蕪(かぶら)の時空を超えた旅が始まった!

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2009/10/04

(籠釣瓶の)八ツ橋の笑いはどれにも属さない不可思議な笑いだった。それはきわめて艶やかな笑いであるが、誰に向かって、そして何のためになされているか、皆目見当がつかないのだ。見ようによっては媚びているようにも見えるが、別の角度から見ると田舎者をせせら笑っているようにも見える。女性らし...

(籠釣瓶の)八ツ橋の笑いはどれにも属さない不可思議な笑いだった。それはきわめて艶やかな笑いであるが、誰に向かって、そして何のためになされているか、皆目見当がつかないのだ。見ようによっては媚びているようにも見えるが、別の角度から見ると田舎者をせせら笑っているようにも見える。女性らしい優しげな微笑のようにも見えるが、反面人間離れした化け物の笑みのようにも見える。…あの笑いは女形であるっていうことのすべてが凝縮された笑いなの。 その翌日、わしは全身全霊を込めてにらんでみた。すると客席に「じわ」が走ったのだ。客の感動が頂点に達すると「じわ」が走るとは聞いていたが、目の前で「じわ」をみたのは初めてだった。花道を引っ込むとき、わしは客席のあちらこちらで快楽が渦をまいているのをみた。

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