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走る死体 の商品レビュー

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犬好き、猫好きで知ら…

犬好き、猫好きで知られるトップブリーダーのマダムが、突然出くわした不可能犯罪!安楽椅子探偵ものの佳作です。

文庫OFF

2011/02/20

“飼い主にとって、ペットはただのペットではなく家族同然、と信じている心情は、もちろんナオにもよく理解ができる。だけど、いつだってニコニコ、というふうにはいかないときもある。 百五十三センチ、三十九キロという小柄な体に、闘争心とガッツを詰め込めるだけ詰め込んで、ナオは日々、奮闘して...

“飼い主にとって、ペットはただのペットではなく家族同然、と信じている心情は、もちろんナオにもよく理解ができる。だけど、いつだってニコニコ、というふうにはいかないときもある。 百五十三センチ、三十九キロという小柄な体に、闘争心とガッツを詰め込めるだけ詰め込んで、ナオは日々、奮闘しているのだ。 二十九歳。まだ独身のレディとしては、こんなことを威張りたくはないのだが。 フルネームは、五十海七緒<いかりなお>という。 ふりがなでも付けぬかぎり、正確に読んでくれる人は皆無に近い、という珍しい名である。 珍しいと言えば、女性で獣医師、というのもかなりのものかもしれない。” タイトルに惹かれて。 読んでて結構楽しめる。 主人公が推理を色々と展開・訂正していくとことか。 “「ところでナオ先生、なにか変わったことでもありましたか」 「え。どうして。わたし……。どこかおかしいところありました?」 ナオは、ちょっとびっくりした。 いつも飄々としているとばかり思っていた安西が、いきなり核心をついてきたからだ。こんなに勘のいい人だとは、正直思わなかった。 安西は目を細め、小首をかしげるようにしながら軽い笑みを浮かべた。ふつうの女の子なら、それだけでクラクラと眩暈を起こすのではないかと思えるほど、魅力的な表情だった。 「ええ。どう見てもおかしいですね。第一、きょうは、ぼくの誘いを断らなかった。これがいちばんおかしい」 「たしかに、それは、おかしいわね」 冗談めかして言う安西に、ナオも同じように返したのだが、それまで穏やかに笑っていた安西の目が、急に真剣になって、<なんでも聞きますよ>とでも言いたげにナオを見つめてくる。 この際、愚痴を聞いてもらおう、とナオは思った。 「実はね……わたし今、犬の誘拐犯だと疑われているの」 「え、誘拐犯?犬の?」 安西は、わけが分からないといった顔つきになる。 ナオは安西に、説明をはじめた。”

Posted byブクログ