社会的ひきこもりへの援助 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
「青少年の社会的ひきこもりの実態・成因・対策に関する実証的研究」と称して青少年健康センターというところが99年から01にかけて行った調査研究のレポートが書籍化されたものである。本書にも論文が掲載されている斎藤環さんの著書『社会的ひきこもり』が話題になったのもその頃で、ちゅうどこのあたりを境に働くひとのうつ病が激増しはじめる。世の中に明らかな変化が起きたのだ。そう考えると、時代の検証と照合することによって歴史的な価値を帯びる文献になるかもしれない。例えば、その言葉はないにしろ「新型うつ」として今に定着した症状とまったく同じ記述をここに見出だすことができる。社会の構成員としての個人、老若男女を問わず、その苦悩の現代史なのである。
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