「時刻表」舞台裏の職人たち の商品レビュー
JTBが毎月出してゐる「時刻表」の舞台裏を紹介します。マイロネBOOKSもJTBなので宣伝臭が漂ひますが、まあひとつの読み物として興味深い内容ではあります。 第1章に種村直樹氏のルポ「時刻表を作る顔」が再録されてゐます。さすがに脂ののつてゐる頃の文章で、「春臨」と呼はれる春休み向...
JTBが毎月出してゐる「時刻表」の舞台裏を紹介します。マイロネBOOKSもJTBなので宣伝臭が漂ひますが、まあひとつの読み物として興味深い内容ではあります。 第1章に種村直樹氏のルポ「時刻表を作る顔」が再録されてゐます。さすがに脂ののつてゐる頃の文章で、「春臨」と呼はれる春休み向けの臨時列車が収録される2月号(1982年)が、どのような過程で作られていくのか、臨場感たつぷりに綴られてゐます。 第2章の「活字の時代」を経て、第3章「電算写植の時代」、そして第4章「21世紀の時刻表」ではSTEP(System of Time date Editting & Producting)と呼ばれる新システムの紹介がされてゐます。良く分かりませんが、 ①駅時刻データシステム(時刻情報の根幹) ②ページレイアウトシステム(時刻データを時刻表に表現する) ③DTPシステム(駅時刻とページレイアウトを参照し、実際に時刻表誌面を編集する) が、STEPの基本設計ださうです。ふうん。 第5章「時刻表編集作業のあれこれ」では、文字通り編集作業の苦労話あれこれです。特に会社線の編集は大変です。あれは見ているだけでも毎月の更新が難儀さうであります。それも900社もあるさうですから、スペースの配分とかも力量が問はれるところ。 第6章ではJTB時刻表の歴史をさらりと述べてゐます。昔の時刻表は面白い。実は私は復刻版も全部持つてゐて、しばしば眺めて愉しんでゐます。あれは時間を忘れてしまふのでいけません。 結論としては、やはり時刻表は面白い、といふことですな... 賛同しない人も多いでせうが。ではご無礼します。 http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-135.html
Posted by
もたもたしてたら絶版に…古本でGETしました。活版時代の記事にやっぱり心惹かれる。赤字の入れ方が凄まじくとてもじゃないけど自分では見れない…。その赤字を「花火」というらしい。写真資料みるとホントにそう!ひゃー!次は復刻版『時刻表』欲しい。
Posted by
緻密さの代名詞であるような時刻表をどんな人や道具が支えてきたか。活字を一字一字拾っていたころの「行マス」や、写植時代になってからの校正地獄の話とか、人間の勤勉さと協働関係にある道具の側面が見えてくる。
Posted by
- 1