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ニコマコス倫理学 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2017/05/01

ポジティブ心理学とか、SWB(subjective well-being)とか、早いはなし「幸せ」といったことに、ここ数年関心をもっていて、そっち系の本は良く読む。という文脈のなかで、「幸せ」研究のスタート地点は、やっぱりアリストテレスだよな〜、と思って、「ニコマコス倫理学」を読...

ポジティブ心理学とか、SWB(subjective well-being)とか、早いはなし「幸せ」といったことに、ここ数年関心をもっていて、そっち系の本は良く読む。という文脈のなかで、「幸せ」研究のスタート地点は、やっぱりアリストテレスだよな〜、と思って、「ニコマコス倫理学」を読もうと、何年も努力してきた。 が、これがなんか難しいんだな。一見、ロジカルな議論をしているようなんだけど、わりと大雑把なところとか、論理の飛躍とか、どうでもよさそうなことへの執着とか、いろいろある。一つ一つの文章は、難しくないのだけど、文章が集まって、章があつまって、結局、なんなのかよく分からないんですね。 ということで、数年前に岩波文庫版を買ったのだけど、途中で放棄。 でも、やはり、「幸せ」系の原点はおさえねば、と思い、ちょっと高いけど、新しい訳で、岩波文庫より字が大きくて読みやすい、この本を読んでみた。かなり頑張って、一応、最後までたどり着く。 でも、やっぱり何言っているのかは、不明。 で、なるほど、と思ったのは、本の中にはいっていた月報での解説。この本をよむときには、「非厳密主義」ということを頭におかないといけない、ということ。すべてのことについて同じように厳密性を求めることはできず、おおよその論述で我慢しなけれなならないということか。 つまり、「中庸」ということなんでしょうか? 「非厳密主義」いいかもね。

Posted byブクログ

2016/01/04

【今日の一冊5『二コマコス倫理学』】 平等、公平の画像を 見たことをありますか? フェンス越しに、身長に関係なく、 同じ木箱を与える「平等」。 身長に応じて与える 木箱の数を変える「公平」。 しかし、この「平等」「公平」は、 そもそも、正しいのか? 語義的な意味でない。...

【今日の一冊5『二コマコス倫理学』】 平等、公平の画像を 見たことをありますか? フェンス越しに、身長に関係なく、 同じ木箱を与える「平等」。 身長に応じて与える 木箱の数を変える「公平」。 しかし、この「平等」「公平」は、 そもそも、正しいのか? 語義的な意味でない。 例えば、後ろに並ぶ人には、 迷惑をかけていないか?とか。 「平等」、「公平」には、 本来、目指すべき方向があればこそ、 じゃないのか? その方向性を最初に論じたのが、 アリストテレスと言われる。 … 金儲けをする人の生活は やむを得ず行われるものであり、 また富は明らかに、 我々の求めている善ではない。 なぜなら富が有用なのは 富以外のためだからである。 … これは、ドラッカーの、 「組織の目的は、組織の外にある」に 通じる。 先賢が答えを探して、 行き着いたところに、 アリストテレスがいる。 一回読んだぐらいで、モノにできる、 そんな生易しいものじゃない。 でも、読めば読むだけ、 見えてくるものがあることも事実だ。 「それでは、最初のところから 論じることにしよう」 アリストテレスが、 この書に最後に残した言葉が、 問題の奥深さを物語ってる、 そう思うのだ。 #viewpoint

Posted byブクログ

2014/11/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 私たちの営為が全て「善」を目指すのだとして、では多くの善のなかで上位にあたる善とは何か。  大多数の人間が最高の善としてイメージする「幸福」について考えてみたとき、そこでまた「幸福」とは実際どのようなものであるのか、という問いが生まれる。  人によってたくさん見解がある問題だが、アリストテレスはそれらを地道に検討していく。  そもそも私たちの「望むもの」が「善」であると論定していいのかなど、整理して考えるのが難しかった。  追究を避ける部分が意外に多い印象。  知性に基づく選択、行為の重要性に関しては自分を振り返りつつ読めた。

Posted byブクログ

2014/03/19

ソクラテスの遺した「一番大切なことは単に生きることそのことではなくて、善く生きることである」(『クリトン』)というテーゼをアリストテレス流に発展させた作品。 アリストテレスはまず政治学を諸学の学、すなわち最高の学問として位置づける。なぜなら政治学は、市民たちを「美しいことを行な...

ソクラテスの遺した「一番大切なことは単に生きることそのことではなくて、善く生きることである」(『クリトン』)というテーゼをアリストテレス流に発展させた作品。 アリストテレスはまず政治学を諸学の学、すなわち最高の学問として位置づける。なぜなら政治学は、市民たちを「美しいことを行なう善き人々にする」(p.38)からである。そのうえで彼は「善く生きる」ことの探究に入る。 本書の内容を強引にまとめてしまえば、「善く生きること=幸福=徳に基づく活動=人生の究極目的」と図式化することができる。プラトンが極度に理念的で普遍的な善のイデアを設定したのに対して、アリストテレスは実体としての善を追究する。個々人にとっての実体的な善とは幸福に他ならない。つまり、この『二コマコス倫理学』は、『政治学』を論ずるための前提的な本であると同時に、幸福に生きるための徳のカタログでもあるのだ。 注目すべきは、アリストテレスは徳を二種類に(習慣的な「性格の徳」と、知性的な「思考の徳」とに)分類していることだ。ソクラテスやプラトンが徳と知を密接不可分のものと考えていたことと対比すると、アリストテレスは両者を意識的に分離させようとしているのが分かる。そして、前者の徳の本質は「中庸」に、後者の徳の本質は真実を観る「観想活動」にあるとして、中庸よりも観想活動を上位に置く。 「かくして、知性に基づく生活こそ、まさに最も幸福な生活なのである」(p.478) 中庸を説いたことで名高い本書であるが、実のところそれがアリストテレスにとっての主題ではなかったことを今回初めて知った。 訳業は素晴らしいのだが、本書はアリストテレス自身が公刊を予定していなかった未整理の講義ノートを基にしているため、論旨が錯綜していて非常に読みづらい。リュケイオンでの講義はどうだったのだろうか。

Posted byブクログ

2013/06/21

岩波書店から出てるものよりも日本語訳が良いらしい。 エウダイモニク。幸福論。アリストテレス。中庸。 悪徳の者は、情念や行為において、不足しているがゆえに、あるいは過剰であるがゆえに、正しきことを取り逃がす。 それに対して徳のある者は、中庸を見いだし、それを選ぶ。

Posted byブクログ

2009/10/04

ニコ論の中ではこれが一番読みやすい。 某岩波のやつは、最初に読むには難解&字がごっちゃなのでニコ論に初挑戦の方はこれがいいと思う。

Posted byブクログ