ナチスと動物 の商品レビュー
ナチスのプロパガンダ映画「放浪のユダヤ人」では屠殺される時に羊や牛が苦痛にもがく陰惨なシーンが延々と続く。ユダヤ人のげらげら笑いが大写しになる。ナレーションではこう説明される「この人達のいわゆる宗教は、普通の方法で殺した肉を食べることをユダヤ人に禁じています。そこの、この人達は完...
ナチスのプロパガンダ映画「放浪のユダヤ人」では屠殺される時に羊や牛が苦痛にもがく陰惨なシーンが延々と続く。ユダヤ人のげらげら笑いが大写しになる。ナレーションではこう説明される「この人達のいわゆる宗教は、普通の方法で殺した肉を食べることをユダヤ人に禁じています。そこの、この人達は完全に血を抜き取るまでは動物に死を迎えさせないのです」またドイツで1935年に使われた反ユダヤ主義の児童書「毒きのこ」にはコーシャ屠殺に従事するユダヤ人がえがかれ、説明で児童にこう呼びかけている「また牛が地面に倒れ、死にかけています。しかしユダヤ人は回りに立って笑っているだけです」と 。 ナチス親衛隊を創始し、ナチスの死の収容所の元締めを務めたヒムラーは養鶏農家の出身だった。体系的な動物の飼育と人間の虐殺でヒムラーは様々なアイディアを出すが、それはいずれも農業の機械化の人間への延長だった。ナチスのやり方は動物と人間の間の境目を曖昧にすることで、人間の殺害を動物の屠殺のように見せることだった。ナチスは、これから殺す人間たちに、着衣を全て脱ぐように命じ、かたまって集まるように命じた。これは人間の通常の行動ではない。裸は動物と同じことを意味する。これに集合が加わると牛や羊の群れを意味する。この種の脱人格化は、その人間を射殺またはガス室殺しの犠牲者にしやすくする 。
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