ウイニング・ラン の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
スポーツエージェントのマイロン・シリーズの第七弾。 「カムバック・ヒーロー」で登場したマイロンの元恋人、 NBA選手の元妻にして、 その結婚直前にマイロンと浮気、 そのせいでマイロンは試合中の怪我を仕組まれ、 NBAを、バスケをあきらめざるを得なかったという 因縁の女性が訪ねてくる。 その元恋人の息子が骨髄移植を必要としていて、 ようやくみつかったドナーが行方不明だから探してほしいという 頼みごとをしてきた。 もはや、スポーツエージェントは関係なくない? マイロンは探偵なの?という展開だが、 息子の父親は、NBA選手である元夫ではなく、 マイロンだという爆弾を投げてくる。 という訳でドナーを始めるが、 大富豪の家族の一人らしいと突き止めたあたりから、 身代金目当てではなく家族を恐怖に陥れるための誘拐犯が電話をかけてくるし、 そしてもちろん「父親」であるNBA選手がからんでくる。 ウィンに暴力をふるわせては文句をつけていたマイロンが、 今回は情報を手に入れるために自ら暴力をふるった変化にはある意味感心したし、 前作で登場した、元モサド工作員にして女装を好むゾラ (マイロンの腹にハイヒールに隠したナイフをぶっ刺していた)が、 登場したのも良かった。 ただ、残念ながら邦訳はこの本で終了。 ゾラが今後、仲間になっていくのか知りたかった。
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スポーツ・エージェント、マイロン・ボライターのシリーズ最終翻訳済み作品7作目である本書についに辿り着いてしまった。この先4作までは本国では既刊となっているのだが、和訳作品はこれで、現在のところ最後となる。それも23年前のことだから、この後の作品は埋もれ、忘れ去られてしまうだろう...
スポーツ・エージェント、マイロン・ボライターのシリーズ最終翻訳済み作品7作目である本書についに辿り着いてしまった。この先4作までは本国では既刊となっているのだが、和訳作品はこれで、現在のところ最後となる。それも23年前のことだから、この後の作品は埋もれ、忘れ去られてしまうだろうか? と思いきや、2024年に本シリーズの新作(タイトル未定)が用意されているらしい、とはWikipedia情報である。これを機に残るマイロン・シリーズ作品も全部翻訳して頂けると嬉しいのだけれどなあ。うるうる。 ともあれ、四半世紀も遅れて読んでいるへぼ読者のぼくとしては、これら古い作品たちも現在に近く感じられるままなので、何だかすべてまとめて手元にどんどん作品が届いてくるようなイメージなので、とても充実している。これを機に未訳シリーズ作品も日本の書店用にきちんと翻訳して並べてもらえると嬉しいなあ、と、そう、今こそわがままを言える機会だ。さ、新旧コーベン・ファンよ、集結せよ。と一番新米の読者のくせに生意気を言って失礼! さて本書であるが、文句なしのシリーズ・ベスト作品である。どの作品もかなりのつわもの揃いというハイレベルな物語ばかりなので最新作がいつもベスト、ということを巻末で北上次郎氏が書いている。最後に邦訳された本書がぼくは最も心が捕えられてしまった力作であるように感じたので、その通りなのだろう、きっと。本書の読みどころは、主人公であるマイロンの人生を過去から何もかも変えてしまいそうな出来事が、本書のスタートから驚きびっくりでいきなり語られ始めるところにある。お、これはシリーズのエポックに違いない。そんなびっくり箱的スタート地点からぼくらはページを繰る手が止まらなくなる。ううむ。 マイロンは、言い年齢になっても両親と同居するなど、とても家族を大切にしているのは、既にご存じの通り。しかし、本書では、マイロン実家ではなく、別の次元で闇に眠ってきたもう一つの家族乃至親子の秘密が、本書の爆弾であり地雷となる。昔の恋。置き土産。マイロンというシリーズ主人公の、過去や未来に繋がる家系の真実が冒頭から明らかになり、マイロンとともに読者も揺るがされる。そしてその幽かに繋がっていた血の未来が、現在は途轍もない危機に瀕している。そんな自分ごとの事件がマイロンにいきなり直球ストレートで投じられ、シリーズ中、最も避けられぬ探偵活動を余儀なくされるというのが本書のスタートシーンなのだ。 『元恋人のエミリーは、病気の息子を助けてほしいと懇願した。「子どもの父親はあなたなの」。死の淵に立たされた我が子を救うべく、消えたドナーを追うマイロンは、やがて・・・』カバー裏の記述はこう語る。 本人も知らぬままに生まれていた息子が難病で命の危機に瀕する中、唯一骨髄バンクでヒットした提供者の行方がわからなくなってしまったと、元の恋人に告げられたマイロンは、驚愕と同様と懐疑の中で、想像もしなかった息子の存在を知り、彼を生かすための渾身の捜査を強いられる。冒頭から最後までただただ本気の緊張と行動が続く。最初から押し迫った状況が、マイロンの胸を(つまり読者の胸をも)締め付けるのだが、行方不明となった提供者の闇を知るにつれ、泥沼の悪意が見えてくる。物語は異様な方向に逸れてゆく。 シリーズ中最も闇の深い作品であるように思う。そしてシリーズ中最もマイロン自身に問題が迫ってゆく物語でもある。家族の物語。時間的にもあまりにも長いスパンの物語。血の物語。この最終章をもって翻訳が打ち切られているという状況が理解できないのは、果たしてぼくだけであろうか? この後のマイロンのシリーズをも読みたい。三度くらい書けば翻訳が上梓されることもあるだろうか? 読みたい。読みたい。読みたい。さて、どうだろうか? 皆さんも是非ご唱和あれ!
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マイロンの前に現われた元恋人のエミリーは、病気の息子を助けてほしいと懇願した。遺伝性の貧血症を患う息子には骨髄移植が必要なのだが、手術を前に骨髄提供者が謎の失踪を遂げたという。突然の依頼に戸惑うマイロンに、さらに彼女は衝撃の告白する。「子どもの父親はあなたなの」―死の淵に立たされ...
マイロンの前に現われた元恋人のエミリーは、病気の息子を助けてほしいと懇願した。遺伝性の貧血症を患う息子には骨髄移植が必要なのだが、手術を前に骨髄提供者が謎の失踪を遂げたという。突然の依頼に戸惑うマイロンに、さらに彼女は衝撃の告白する。「子どもの父親はあなたなの」―死の淵に立たされた我が子を救うべく、消えたドナーを追うマイロンは、やがて哀しき真実にたどりつく…感動のシリーズ最高傑作。 ハーラン・コーベン・マラソン、ようやく終了。 最高傑作かどうかは別として、北上次郎氏の解説まで含めて星四つ。去年の新作の主役がウィンだもんな。
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図書館で。 マイロンの自業自得とは言えスポーツエージェント稼業は風前の灯。そんなところに持ち込まれた元ガールフレンドの特大級めんどくさい案件、という感じ。FBIもそこまで追い詰めていたのに、なんでそこで遅れを取っちゃうかなぁ…。そこが理解できなかったです。 個人的にこのシリーズ...
図書館で。 マイロンの自業自得とは言えスポーツエージェント稼業は風前の灯。そんなところに持ち込まれた元ガールフレンドの特大級めんどくさい案件、という感じ。FBIもそこまで追い詰めていたのに、なんでそこで遅れを取っちゃうかなぁ…。そこが理解できなかったです。 個人的にこのシリーズの良心はマイロンでは無くてウィンだと思う。彼はいつも正論を言う。正しいと思ったことを言い、行う。そこにはあまり葛藤は無い。父親という事に関してもウィンが正しい。昨日まで息子の存在を知らなかった男が、高校まで慈しみ育ててくれた存在に一瞬でとってかわれるわけでもないだろうし。 何というかマイロンの悲劇のヒロインを気取ってる感じが嫌いなんだろうな、とぼんやり分かってきた気が。ジェシカとニュースキャスターの何が違うってジェシカが浮気してマイロンを捨てたって過去があるか無いかだけなんだよなぁ。浮気相手とよりを戻すのは男のプライドが許せなかったってことなのかな~とか思いました。
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