1,800円以上の注文で送料無料

ラテンアメリカ従属論の系譜 の商品レビュー

5

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2019/01/16

開発学、あるいは開発経済学は常に先進国を中心に議論が進行してきた。本書で扱われているラテンアメリカ学派は、途上国から生み出された初の(そして恐らく唯一の)体系だった開発思想であり、本書はそれを取り扱った唯一の日本語書籍である。開発学が先進国から生み出されることに違和感を感じる人や...

開発学、あるいは開発経済学は常に先進国を中心に議論が進行してきた。本書で扱われているラテンアメリカ学派は、途上国から生み出された初の(そして恐らく唯一の)体系だった開発思想であり、本書はそれを取り扱った唯一の日本語書籍である。開発学が先進国から生み出されることに違和感を感じる人や、途上国側からの声に注意深く耳を傾けたい人には読む価値があると思う。 本書は構造学派、国内植民地論、周縁性論、従属論とラテンアメリカで生み出された理論の変遷を丹念に追いながら、その概要を解説してくれる。 従属論ということでマルクス経済学の基礎知識はあった方が良いかもしれないが、そうでなくても十分読みこなせると思う。イデオロギー色も薄く、冷静な内容であるため、従属論に興味があるだけという人にもお勧めできる。

Posted byブクログ