ある文芸編集者の一生 の商品レビュー

大村彦次郎(著者)

2013/01/31

個人的に作家の印象が強かった『神聖な裸婦』の楢崎勤さんが編集者でもあったとは知らなかったので、驚きました。

2012/01/14

十年以上積読状態だった（苦笑）。
この本は新興芸術派の作家、楢崎勤を主人公に、当時の文壇状況をまとめている。
新興芸術派がなぜ短命に終わったのかがやはり気になる。
今までの自分の理解では、出版社の経営戦略のためにかき集められた烏合の衆だったというところだ。
この本を読んでも、基本的にその認識が揺らぐわけではないが、エースとなるはずの龍胆寺雄の人柄などがよく分かった。
この本によれば、少し狷介で付き合いづらく、派閥の領袖という役にはふさわしくなかったようだ。
ささきふさが、新興芸術派とともに消えてしまった理由も気になるところだが・・・それはこの本からはわからない。