絵本の中の都市と自然 の商品レビュー
『ちいさいおうち』が好きなんですね。 私も好きです。何度も何度も読みました。 でもきっとループするんだろうなと感じてもいました。 田園風景も、摩天楼も、どちらも人間が作った風景です。 本当の自然とは違います。 自然に回帰するとか言っても、結局は人間が都合よく作り上げた風景であるこ...
『ちいさいおうち』が好きなんですね。 私も好きです。何度も何度も読みました。 でもきっとループするんだろうなと感じてもいました。 田園風景も、摩天楼も、どちらも人間が作った風景です。 本当の自然とは違います。 自然に回帰するとか言っても、結局は人間が都合よく作り上げた風景であることは忘れてはならないと思います。 都市と自然というタイトルだけど、厳密には「自然」はここに存在していない。 都市と田園、都市と里山、という対比構造だと思います。 そしてそれらは実は対立しているのではなく、人間の開発方針の違い。 人口や技術力、産業の違い等によって変わっているものの、同じように自然を作り替えていく人間社会のありようなのだと思います。 そして日本とそれ以外の国の「自然」や「風景」に対する考え方の違いも、優劣で考えることではないように思います。 価値観が違うのです。 逆に、日本のような風景の見かたをできる国はないかもしれない。 それと、環境問題等々を子供たちにどう伝えていくかはまた別の問題として考えなければならず、日本はその点で、絵本に表現している本が少ないというのは事実なのでしょう。 だけど、この著者の書き方、視点は、どうにも片方に偏ってしまっているように思います。 別にそれが悪い訳では無いのですけどね、そういう価値観なのだというだけの話で。
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