離婚まで の商品レビュー
一人の主婦。 夫はパートナーではなく、自分に寄りすがって生きている人間、二人の娘にはできるだけのことをしてあげたいと願う良い妻、良い母親である彼女が、そんな風に生きていくことになったのはなぜ? 30年ぶりの同窓会を機に地元に戻り、幼いころから結婚するまでの自分を見つめ、過去の清...
一人の主婦。 夫はパートナーではなく、自分に寄りすがって生きている人間、二人の娘にはできるだけのことをしてあげたいと願う良い妻、良い母親である彼女が、そんな風に生きていくことになったのはなぜ? 30年ぶりの同窓会を機に地元に戻り、幼いころから結婚するまでの自分を見つめ、過去の清算をし、これからを生きなおす加奈子の心情が描かれています。 幼いころの加奈子がとても可哀想で、すごく切実にその哀しさを感じました。 が、ラストは希望の見える終わり方でほっとします。
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小説。共働きの主婦が、趣味の絵を描く時間もないほど家庭に奉仕し、子供が大きくなってきた今肉体の老化に気づき、半生を振り返って自分の結婚に疑問を抱く。後半、普通なら忘れられないだろう出来事を、同窓会を通じて回想する。伏線が念入りに書かれ過ぎている気もするが、叫びだしたくなるような母...
小説。共働きの主婦が、趣味の絵を描く時間もないほど家庭に奉仕し、子供が大きくなってきた今肉体の老化に気づき、半生を振り返って自分の結婚に疑問を抱く。後半、普通なら忘れられないだろう出来事を、同窓会を通じて回想する。伏線が念入りに書かれ過ぎている気もするが、叫びだしたくなるような母親からの圧迫感や、大きな子供のようで嫌悪しかない夫、同じく絵を志す職場の男性同僚への嫉妬など、追い詰められていく気分は疾走感すらある。過去の淡い恋ですら思うようにできなかった憐憫。でも、原点はそこにある。ボタンの掛け違いの上に積み重ねてしまった半生。そこに気づくまで長かったのが歯痒いが、夕焼けを思わせるような静かで明日を感じさせるラストが良い。
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