わが非暴力の闘い の商品レビュー
ガンディーの自伝や雑誌に投稿した論文を集めたモノ。 以前読んだ時よりもはるかに感じるところが多かった。ということは私も変わったんやな! 前に読んだ時は、宗教に対する無意識の抵抗ですんなり入ってこなかった。 それと、ガンディーの伝統を重んじる考え方と、同時期に読んでいた夏目漱...
ガンディーの自伝や雑誌に投稿した論文を集めたモノ。 以前読んだ時よりもはるかに感じるところが多かった。ということは私も変わったんやな! 前に読んだ時は、宗教に対する無意識の抵抗ですんなり入ってこなかった。 それと、ガンディーの伝統を重んじる考え方と、同時期に読んでいた夏目漱石の「わけもわからないような時代に流されるのはいやである。さりとて、それに逆らって旧時代にこだわりつづけるのはもっと愚かである」という言葉との間で揺れてたなぁ。 この本は、前半はガンディーの生涯を追う。 かっこいいです、ほんまに。 後半は医者や弁護士といった高給の人間を批判したり(金儲けのために国家に貢献している者がそれ以外の者より何故偉いのだ、みたいな)、機械化に疑問を唱えたり。 第2章の「機会文明か人間の文明化」は読みごたえがあると思う。 でもこれは『ヒンド・スワラージ』収録の論文なので、そっちのレビューに書きたいと思う。 最終章では彼の信念について、そして宗教のついて書いていて。 宗教の重要性を認識することができた。 宗教っていうのは、幸せを感じる能力を助けるものなんやと思う。 私は「貧しいしよりどころがない、あるいは不安やから宗教を信仰するんや」と思っていたけど、そして多分それもほんまやけど、ポジティヴな意味でこのことをとらえることができるようになった。 現代人はお金が神やから、持っているお金、消費する量が幸せのものさしになる。これも一種の宗教なんかな。物神主義。 アインシュタインも未来そうなるやろうと述べてたけど、だんだんガンディーがこの世に存在したことが信じられないと思ってきた。 信仰が厚ければ、あんな精神力になれるんやろうか。 でも、現代人は遠い国の人間に想いを馳せることも、ましてや隣人を愛することもできないぐらい信仰心はないあるいは都合のいいような信仰しかしていない。この状態から、ガンディーみたいに本気で国の平和、それをもって世界平和を目指して行動できる人間が生まれるのかどうか… まずは人間を取り戻さなあかん気がする。
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