大東京三十五区 冥都七事件 の商品レビュー
時代設定が好み。一番良い時代だと思う。 オカルトなのに、推理物の雰囲気を漂わしているのは京極夏彦さんと同じ。 でも、全く違う魅力がある。
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『老松ヲ揉ム按摩』 『天狗礫、雨リ来ル』 『暗夜ニ咽ブ祟リ石』 『花ノ堤ノ迷途ニテ』 『橋ヲ堕セル小サ子』 『偽電車、イザ参ル』 『天ニ凶、寿グベシ』 明治13年、帝都東京は東海寺周辺を警邏していた巡査が1人。東海寺の七不思議の一つ“血出の松”と呼ばれる老松に人陰を見つける。両...
『老松ヲ揉ム按摩』 『天狗礫、雨リ来ル』 『暗夜ニ咽ブ祟リ石』 『花ノ堤ノ迷途ニテ』 『橋ヲ堕セル小サ子』 『偽電車、イザ参ル』 『天ニ凶、寿グベシ』 明治13年、帝都東京は東海寺周辺を警邏していた巡査が1人。東海寺の七不思議の一つ“血出の松”と呼ばれる老松に人陰を見つける。両の手から血を滴らせ、按摩が一心に松を揉んでいる。驚きつつも按摩を問いただしたところ、盲いの按摩はどうやって此処まで来たのかも、判らず、松を揉んでいたことも自覚していなかった。おそらく狐狸の類に騙されたのだろう――という「東京色色新聞」の記事を見つけた阿閉万――通称ちょろ万――は、この51年前に起こった事件の真相が気になり、大家の間直瀬玄蕃に相談を持ちかけた。『老松〜 より』 時代は昭和7年辺り。阿閉万が古い新聞を漁り、不可解な事件を見つけ、玄蕃に指南を乞い事件が解明する、という感じのパターンかな。 装丁を見た瞬間「買い!」という感じでした。タイトルからもレトロ風味がバシバシ伝わってきましたし(笑) 文章も物凄く好きですね。慣れるまで少しかかるかも知れないけれど、独特の味わいがあります。短編なので、事件自体はそれほど複雑では無いけれど、この時代背景に見合った感じの解決の仕方なので面白く読める。厳密に考えると多少の無理はあるか?という感じですが、それを突っ込むと、この小説の色が無くなりますね。きっと。このちょっぴり胡乱なところが良い感じ。かといって曖昧な締め方じゃいです。理論的。 個人的に、『橋ヲ堕セル小サ子』が好きですね。この話に関しては、暈してある感じなんですが、それがなんとなく好き。 で、ラストに仕掛けがありました。これは全く予想して無かったので「ほぉー」と思わず感嘆。
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